東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。252円高の26,991円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分弱で308円高の27,047円まで上昇しましたが、朝方の売り一巡後に伸び悩むと11時20分前に93円高の26,832円まで上げ幅を縮め132円高の26,872円で前場を終えました。124円高の26,863円でスタートした後場の日経平均は引けにかけて上げ幅を広げると大引け間際に299円高の27,038円まで上昇し結局262円高の27,001円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

先週末の引け後に決算を発表した大手損保が大幅高となりました。東京海上ホールディングス(8766)は国内事業で火災保険を中心に料率改定などに伴う増収が見込まれるうえ、責任準備金の負担減や円安もあり2023年3月期の経常利益が前期比で5.7%増の6000億円となる見通しを発表し市場予想を上回ったほか、自己株式を除く発行済株式総数の1.8%にあたる1250万株と500億円を上限とした自社株買いを発表したことで7.6%高となりました。SOMPOホールディングス(8630)も自己株式を除く発行済株式総数の4.66%にあたる1600万株と580億円の自社株買いを発表したことで7.9%高となり、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)も自己株式を除く発行済株式総数の3.65%にあたる2000万株と500億円を上限とする自社株買いを発表したことで6.7%高となっています。

川崎汽船(9107)も5.2%高となり年初来高値を更新しました。運賃の指標である中国コンテナ船運賃指数で北米航路が上昇したことで収益拡大を期待した買いが入りました。日本郵船(9101)も2.5%高、商船三井(9104)も3.6%高となっています。グロース市場では旅工房(6548)が3月の旅客取扱額が前年同月比76.5%増となったことや、政府が新型コロナウイルスの水際対策を緩和する方向で調整を進めていることもあって7.3%高となっています。

一方でクボタ(6326)が2.9%安となりました。先週末の米国市況で農機の米ディア(DE)が決算で売上高の見通しが市場予想を下回ったことから急落となったことで大幅安となりました。東ソー(4042)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は262円高となりました。先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなったものの時間外の米株価指数先物が上昇となっていたこともあって買いが優勢となりました。朝方の買い一巡後に伸び悩み93円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと節目の27,000円をわずかに上回って取引を終えています。ただ、先月から27,000円を上回ると押し戻される展開が続いているだけに27,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)