日銀の新体制も決定、それを市場も好感、春闘は満額回答が相次ぎ、市場、実体経済も足並み揃えて明るさを増してきているようです。
米国では15日に反落したもののダウ平均の最高値更新が10連続にもなり、世界経済全体が上向きであると感じさせています。

季節は春、早めの桜の開花宣言も相まって、華やいだ、軽い気分を味わっている方も多いかもしれませんね。

気分も懐も温かくなるのであれば、そこに水を差すような白けたことは、もちろん言いたくありません!ただ、人は浮足立ってしまうと、つい本質が見えなくなったり、おおらかになり過ぎたりしてしまうということもあります・・・よね?

こうした上向きトレンドのときに注意しておきたいことをいくつか。

● インフレの可能性=株価上昇 というセオリー及び、連日の市場の明るいニュースを耳にすると、慌てて株購入に走る方も多いかもしれません。
焦った後負いは痛い目に遭うパターンです。勝つ人はずっと先に種まきをしているからこそ、美味しい時に収穫を得られるのです。
株式購入はもう遅いと言っているのではありません。まだまだチャンスはあるはずですが、急上昇した銘柄の高値掴みをしないようにキチンと勉強しましょう。

● 分配金をあらかじめ明示するタイプの投資信託が伸びていると新聞記事がありました。
預貯金より高利回りとなる安定的な分配金というのは魅力的に見えます。ですが、市場で運用している投資信託の場合、当然運用が上手くいかないこともあり、高い分配金を排出するために元本を取り崩すことがあります。
高齢者の方など、原則ずっと保有し続けて分配金を受け取るのみ、と割り切られるのであれば構いませんが、将来的に投信を売却して現金化する予定があるのであれば冷静に考えたいものです。
商品の性質、自身の年齢やこの先の予定などと考え合わせて商品選びをしましょう。

● 昨年11月からのドル円は怒涛の円安への動きで、4カ月余りで20%以上の上昇です。でも思えばドル安円高への下落スピードも速かったものです。
急激な動きには急激な反転がつきものです。
円安トレンドと安心し過ぎないよう、くれぐれも注意しましょう。

投資は自己責任で行うもの。
儲かると自分に酔いしれても、負ければ、損すれば誰かのせいにしたくなってしまう人も多いものです。
自己責任と共に投資で大切なのは、冷静さを失わないこと。
誰かのせいにしたりせずに、もくもくコツコツと冷静に資産形成していきたいものですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員