東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。45円高の26,448円でスタートした日経平均は直後に24円高の26,426円までやや弱含んだ後上げ幅を広げると前引け間際に317円高の26,719円まで上昇し309円高の26,712円で前場を終えました。283円高の26,686円でスタートした後場の日経平均はじりじりと上げ幅を広げると14時40分に366円高の26,769円まで上昇し結局336円高の26,739円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
セイコーエプソン(6724)が8.8%高となり年初来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の9.53%にあたる3300万株と300億円を上限とした自社株買いと、2023年3月期に1株当たり10円の記念配当を実施すると発表したことで買いを集めました。東邦チタニウム(5727)も11.0%高となり年初来高値を更新しました。ロシアが米国向けに供給していたチタンが取引停止になり代替需要を受注しているとの説明が東邦チタニウムから決算説明会であったことから買いが膨らみました。買いが波及し大阪チタニウムテクノロジー(5726)も22.3%高となりました。一時は22.4%上昇しストップ高となる場面もあり年初来高値を更新しています。また、銅価格の上昇を受けて住友金属鉱山(5713)や三井金属鉱業(5706)も高く、住友金属鉱山が3.6%高、三井金属鉱業も2.9%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けてネクソン(3659)や大日本印刷(7912)も高く、ネクソンが一時3.3%高、大日本印刷も一時3.6%高となっています。
一方でドコモショップの代理店を展開するコネクシオ(9422)が一時4.6%安となりました。NTTドコモが2025年度までに販売店のドコモショップを約700店閉鎖する方針を固めたと伝わったことで業績の先行きを懸念した売りが出ました。スタンダード市場では大同信号(6743)も9.6%安となり年初来安値を更新しました。鉄道会社の設備投資が引き続き抑えられる見込みで、円安により電子部品の調達コストも増えることなどから2023年3月期の営業利益が前期比で49.3%減となる見通しを発表したことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は336円高となりました。昨日の米国市場はインフレが企業業績を圧迫することを懸念した売りが続き続落となりましたが、昨日に500円以上下げていた反動で買いが優勢となりました。また、中国人民銀行による住宅ローン向け指標金利の引き下げを受けて上海総合指数や香港ハンセン指数が大きく上昇したこともあって上げ幅を広げました。昨日に割り込んだ一目均衡表の雲の下限(26,510円)や25日移動平均線(26,703円)を回復したことで下値への警戒感が一旦後退しそうですが、週明け以降も買いが続いた場合には上値抵抗線として意識されやすい75日移動平均線(26,810円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表もほぼ終わりですが本日も引け後に損保大手の東京海上ホールディングス(8766)やMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)