【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,223.42 △26.76 (5/16)
NASDAQ: 11,662.79 ▼142.21 (5/16)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はディフェンシブ株の一角や原油高を受けて石油関連株が買われたことなどで小幅に続伸となりましたが、ハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。44ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に268ドル安まで下落した後持ち直すと午後に入って買いが優勢となり取引終盤に317ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて急速に上げ幅を縮めると結局26ドル高の32,223ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が15ポイント安の4,008ポイントと反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も142ポイント安の11,662ポイントとなり3日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
5月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス11.60と前月のプラス24.6から大きく低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや情報技術、不動産などの7業種が下げ、一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、情報技術も1%近く下げました。一方でエネルギーやヘルスケアなどの4業種が上げ、エネルギーは2%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油高を受けてシェブロン(CVX)が3%余り上げたほか、メルク(MRK)も2%以上上昇しました。ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とキャタピラー(CAT)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、IBM(IBM)も1%以上上げています。一方でボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)が2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外ではテスラ(TSLA)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が不正アカウントが1日あたりの利用者数の90%を超える可能性があると投稿したことで買収成立に不透明感が強まったことからツイッター(TWTR)が8%を超える下落となりました。また、テスラも中国の上海工場の生産回復が遅れていると伝わったことで6%近く下げています。製薬のイーライ・リリー(LLY)は米食品医薬品局(FDA)が糖尿病治療薬の販売を承認したと発表したことで2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.88%となりました。ドル円は129円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り一目均衡表の雲の下限(26,510円)や節目の26,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)