「トレンドカラー(=流行色)」というのは様々な機関や団体が独自の予測を発表する「作られた」流行です。
実は2年も前に「インターカラー(国際流行色委員会)」という世界レベルでトレンドカラーを検討する会議で選定されるそうで、パリやミラノのコレクションを経て、最終的に商品となり店頭に並ぶ前になってようやく一般ニュースとなります。上記も昨年12月の発表です。
それだけにいざ「今年はこれが流行る!」と宣言されても、一般大衆に受け入れられなければ、当然流行ることなく終わることもあるわけです。
よく流行色と景気の関係について語られます。
不景気の時はモノトーン系が流行り、好景気には明るい色、特に暖色系が流行する傾向はあるようです。
過去の流行色を調べてみると・・・
1960年代から70年代にかけての高度経済成長期、いざなぎ景気の頃は「サイケデリックカラー(蛍光色)」が流行り、70年代のオイルショック以降、自然志向が高まり、カーキ色など「ナチュラルカラー」「アースカラー」へと移行していきます。
80年代にバブル期には、真っ赤などの「ビビッドカラー」人気と同時に黒も流行っています。これは暗い色というよりフォーマルな「高級感」を表す色としての人気だったようですね。
バブル崩壊から90年代にかけて、再びベージュや茶系の「エコロジーカラー」とともにワイン、パープル系が流行り、90年代半ば、一時期カラフルな「ビタミンカラー」が注目されました。2000年代はピンク、そして再び黒の流行です。
好景気時には人々の浮揚感などの心理を反映するということもあるでしょう。逆に景気低迷時には暗い気分から暗い色やグレーが買われやすいのかもしれませんし、被服費を抑える意味から流行に左右されにくいモノトーンが好まれるのかもしれません。(派手な流行色は長くは着られないという事情もあり。)
昨年12月以降株式市場は快調で、その要因の一つともいえる為替市場では円安トレンドが続いてきました。今回G20において通貨安競争の回避は声明に盛り込まれたものの、円安に特定した言及はなく、また強いドルを支持する米次期財務長官の発言など円安トレンドの即反転はしにくいと考えられます。
市場の動きは景気の先取りですが、人々の購買活動等によって初めて実体経済の動きとなります。ファッションの傾向に明るさが見え始めていることは相場の快調も本物かもしれませんね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員