東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。日経平均は170円高の25,918円で寄り付くと大きく上げ幅を広げ11時過ぎに681円高の26,430円まで上昇すると673円高の26,421円で前場を終えました。708円高の26,456円でスタートした後場の日経平均は直後に731円高の26,479円まで上昇し高値を付けた後やや上げ幅を縮めたものの高値圏で推移すると結局678円高の26,427円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が4.5%高となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が12.2%高となりました。2022年3月期は大幅な最終赤字となりましたが、業績の悪化はある程度織り込まれていたことで悪材料出尽くしとなったことや、手元の現預金が3月末時点で2兆9000億円あり目先の資金繰りに心配がないことが確認されたことで買いを集めました。また、東京エレクトロン(8035)も5.5%高となりました。半導体メーカーが最先端の演算用ロジック半導体から旧世代の汎用品まで旺盛な投資を続けていることから2023年3月期の営業利益が前期比で19.5%増となり前期に続いて最高益を更新する見通しで市場予想も上回ったことで大幅高となり、ソフトバンクグループと東京エレクトロンの2銘柄で日経平均を220円押し上げています。
楽天グループ(4755)も7.2%高となりました。傘下の楽天モバイルがこれまで月間のデータ使用量が1ギガバイト未満であれば利用料を無料としていたプランを終了し、3ギガバイトまでの月額利用料を980円とする新たな携帯料金プランを発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。さらにレオパレス21(8848)が債務超過を当初見込みより1年前倒しで解消する見通しと伝わったことで一時14.8%高となっています。
一方で2023年3月期の営業利益が前期比で減益となる見通しとなったKADOKAWA(9468)やセコム(9735)が安く、KADOKAWAが16.3%安、セコムも11.2%安となりました。カシオ計算機(6952)は2023年3月期の営業利益が前期比で22.7%増となる見通しとなりましたが、市場予想を大きく下回ったことで13.8%安となり年初来安値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は678円高となりました。昨日の米国市場は小幅に高安まちまちとなりましたが、11日の小幅な上昇を挟んで昨日までの4日間で1,200円以上も下げていたことから自律反発狙いの買いが入り大幅高となりました。節目の26,000円を超えて上げ幅を広げたことで下値への警戒感は一旦後退しそうで、こうしたなかで週明け以降も買いが続いた場合には節目の26,500円や一目均衡表の雲の下限(26,510円)を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表が続いていますが本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)やホンダ(7267)、日本郵政3社、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、KDDI(9433)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には4月の米輸出入物価指数が発表されるほか、23時には5月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)