ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)決算:一株利益は1.96ドルで市場予想を上回る
ブリストル・マイヤーズ・スクイブは、心血管疾患治療薬やがん免疫治療薬など様々な治療領域での創薬、開発、販売を手掛ける。
がん免疫治療薬分野に注力し、同分野で業界をリードしている。医薬品以外の事業を多角的に展開する競合医薬品会社と異なり、いくつかの非医薬品事業から撤退し、価格設定力が強いとされるブランド特殊医薬品(先発薬)に特化している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比5.2%増の116.48億ドル(市場予想は113.87億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.96ドル(市場予想は1.91ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。22年度通年ベースの増収率、調整済みEPSガイダンスレンジをそれぞれ引き下げた。粗利率ガイダンスは予想を下回った。
今後の株価見通し
大型薬品株はディファンシブの代表格であり、現在の相場環境下で活躍してきた。22年度通年ベースのガイダンスが弱かった。これまで上昇してきた後だけに、決算発表を機に、利益確定売りが出た。ただし、値固め後に再度上値追いの展開を予想する。
ハネウェル・インターナショナル(HON)決算:一株利益は1.91ドルで市場予想を上回る
ハネウェル・インターナショナルは、旧式のサーモスタット装置を製造した、1885年にアルバート・バッツによって創設されたButz-Thermo Electric Regulatorを前身とする。今日では、世界的な多様な産業に対応する巨大企業であり、最大規模の設備のインストールベースを有する一社である。
エアロスペース事業部、ビルディング・テクノロジーズ事業部、パフォーマンス・マテリアルズ&テクノロジーズ事業部、セーフティ&プロダクティビティ・ソリューションズ事業部の4部門からなる。
近年、2016年に Intelligratedを追加したほか、2018年にはGarrett Technologies、 Resideoのスピンオフなど、いくつかのポートフォリオ変更を行っている。2019年に、建物、航空会社、重要インフラストラクチャーにおける企業の専門知識を活用するエンタープライズパフォーマンス管理ソフトウェアソリューションHoneywell Forgeを立ち上げた。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比1%減の83.76億ドル (市場予想は82.88億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.91ドル(市場予想は1.86ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。通期見通しも売上高、1株利益ともに上方修正している。建設テクノロジー部門が好調だった。また、ロシアでの事業停止に関連して1.83億ドルの費用を引き当てた。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は反発した。同社株はベアトレンド下にあり、210ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
ツイッター(TWTR)決算:一株利益は90セントで市場予想を上回る
ツイッターは、ショートフォームテキスト(最大280文字)、画像、およびビデオコンテンツのためのオープンソース型配信プラットフォームおよび交流のためのプラットフォームを運営している。
ユーザーは、自分の関心のあることについて自身のソーシャルネットワークを作ることができ、それによってインタレスト・グラフが構築される。多くの著名人がツイッターアカウントを利用している。広告収入(売上高の90%を占める)とユーザー・データのライセンス料(同10%)が収益源である。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比16%増の12.01億ドル(市場予想は12.32億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・90セント(市場予想は3セント)
売上高は予想を若干下回った一方、1株利益が予想を大きく上回った。なお、同社はこれまで提供したすべての目標および見通しを撤回した。テスラのマスクCEOが同社を非公開化する前の最後の決算になる。広告収入の減速を反映し、予想を下回る売上高となった。
今後の株価見通し
一部報道によるとマスク氏の買収価格は一株当たり54.20ドルで、22年中に買収完了を目指す予定だと言う。株主や規制当局の認可も含め、5ドル以上の価格差はその不透明部分を示す。ただし、買収を遮る要因はさしあたり見受けられず、年末に向け、徐々に54.20ドルに接近すると見る。
シェブロン(CVX)決算:一株利益は3.36ドルで市場予想を下回る
シェブロンは、世界中で探鉱、生産、精製事業を手掛ける総合エネルギー企業である。米国第2位の石油会社で、生産量は日量310万バレル(石油換算)である。これには日量770万立方フィートの天然ガスと日量180万バレルの石油が含まれる。
生産活動は、北米、南米、欧州、アフリカ、アジア、オーストラリアで行われている。石油精製施設は、米国およびアジアに位置し、原油処理能力は日量180万バレルである。2021年末時点の確認埋蔵量は113億バレル(石油換算)で、61億バレルの石油および30兆9,000億立方フィートの天然ガスが含まれる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比70%増の543.73億ドル(市場予想は502.60億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・3.36ドル(市場予想は3.44ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。第1四半期決算は利益が過去10年間で最高となった。石油やガスの価格高騰が寄与した。また、世界的な需要増加を背景に天然ガスへの投資を拡大すると発表した。
今後の株価見通し
増配を34年継続しており、配当貴族指数に組み込まれている。原油の先高観を背景に更に上値を追いそうだ。
ギリアド・サイエンシズ(GILD)決算:一株利益は2.12ドルで市場予想を上回る
ギリアド・サイエンシズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)を中心に、有効な治療法が確立されていない生命を脅かす感染症治療のための新薬を開発し製品化を行うバイオ医薬品企業である。
2006年にCorus PharmaとMyogenを買収、その後CV Therapeutics、Arresto Biosciences、2011年にはCalistoga Pharmaceuticalsを買収し、肺疾患や心臓血管疾患、がん治療分野にも進出。
2012年のPharmassetの買収により、C型肝炎治療薬ハーボニーの併用剤の一部でもあるソバルディを取得。Kite Pharma、Forty-Seven、Immunomedicsの買収で、細胞療法および非細胞療法のがん治療薬のエクスポージャーが広がった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1-3月期)実績
★製品売上高・・・前年同期比2.6%増の65.9億ドル(市場予想は62.3億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.12ドル(市場予想は1.82ドル)
売上高、調整済みEPSともに予想を上回る等、変化の兆しが出た。エイズウイルス(HIV)分野はギリアドにとって大きな利益を得られる市場になりつつある。ただしC型肝炎治療薬の販売減少を補うほどではない。
今後の株価見通し
77.50ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。