ブンゲ(BG)決算:一株利益は4.26ドルで市場予想を上回る
ブンゲは、1818年に設立された世界的なアグリビジネスおよび食品会社であり、農家から消費者への食品チェーンに沿った事業を行っている。アグリビジネス部門は、利益の約3分の2を生み出し、世界最大級の油料種子処理能力を有する。包装された植物油およびその他の食品や原料製品の主要な油種子加工業者であり、販売業者である。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比23%増の158.80億ドル(市場予想は147.83億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・4.26ドル(市場予想2.94ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。22年度通年ベース調整済みEPSガイダンスを引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
好決算を受け、更なる上値追いとなろう。
キャタピラー(CAT)決算:一株利益は2.88ドルで市場予想を上回る
キャタピラーは、重機(建設・鉱山機械)、パワー(エンジン・発電機)システム、機関車製造で長い実績を持つ世界的企業である。重機製造の世界市場シェアは13%超(2021年)に及ぶ。建設機械事業、鉱山機械事業、エネルギー・運輸事業、キャタピラーファイナンシャルサービス事業の4つの報告部門からなる。
世界に約2,000の支店を展開し、168のディーラーによってグローバル・ネットワークが構築されている。キャタピラーファイナンシャルサービス事業部門は、ディーラー向けにホールセール・ファイナンス、顧客向けにも機械やエンジンのためのリテール・ファイナンスを提供し、製品販売の可能性を高めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期14%増の135.9億ドル(市場予想は134.3億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・2.88ドル(市場予想は2.61ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。1-3月期決算は純利益が前年同期比で0.5%増の15億3700万ドル(約2000億円)だった。主力の北米市場などで建機の販売は好調だったが、原材料高や人件費の上昇による製造コストの増加が利益を圧迫した。積極的な値上げでこなし、増益を確保した。
今後の株価見通し
利益確定売りが先行している。中国のロックダウンが株価を圧迫したが、今後は、この悪影響も徐々に緩和されよう。
エクソン・モービル(XOM)決算:一株利益は2.07ドルで市場予想を下回る
エクソン・モービルは、大手総合石油・ガス会社である。世界各地で原油・天然ガスの探査と生産、石油製品の精製を手掛ける。2021年度の1日当りの生産量は、液体燃料が230万バレル、天然ガスが85億立方フィートであった。また、2021年末時点の、保有埋蔵量は石油換算で185億バレル、このうち66%が液体燃料である。
石油精製能力は原油換算で日量460万バレルと、世界最大級のコモディティ、スペシャリティーケミカルの製造大手でもある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比53%増の905.00億ドル(市場予想は895.69億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.07ドル(市場予想は2.24ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を下回った。第1四半期決算は純利益が54億8000万ドルとなり、前年同期(27億3000万ドル)の約2倍に膨らんだ。1株当たり利益は1.28ドル。前年同期は0.64ドルだった。
今後の株価見通し
同社株は7年間にわたって75ドルを下回っていたが、遂に上抜けた。今後の原油価格の動向なども注視していきたい。
アマゾン・ドットコム(AMZN)決算:一株損失は7.56ドルで市場予想を下回る
アマゾン・ドットコムは、主要なオンライン小売業者で、収益で最大規模のeコマース企業である。2021年度の売上高は3,860億ドル、総取引額(GMV) は推定5,780億ドルである。
売上高に占める割合は、小売関連が約80%、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウド・コンピューティング、ストレージ、データベース、その他サービスが10%~15%、広告が5%、残りはその他からとなっている。AWS以外の売上高では、ドイツ、英国、日本など米国外が25%~30%を占める。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比7.3%増の1164.4億ドル(市場予想は1164.3億ドル)
★1株当たり損失・・・7.56ドル(市場予想は8.40ドルの黒字)
売上高は予想範囲内だったものの、1株損益が予想外の赤字となった。北米での営業利益率がマイナスとなっている。また、第2四半期の売上高の見通しが予想を下回ったほか、営業損益は赤字の可能性も示唆している。
今後の株価見通し
売上高が7%増にとどまり、約20年ぶりの低成長となった。コロナウイルス感染流行中はオンライン販売が急増し、アマゾンは驚異的な成長を遂げていた。だが、このところはインフレ高進や全米の労働力不足、サプライチェーン(供給網)問題への対応に追われる中、そうした勢いが失われていた。
コロナショック直後の20年4月につけた2500ドルレベルに下値支持線がある。GAFAMの一角として、同社は底力があり、この苦境を克服するだろう。その意味では、良い押し目買いの好機となりそうだ。
ボーイング(BA)決算:一株損失は2.75ドルで市場予想を上回る
ボーイングは、航空宇宙および防衛の大手企業である。シカゴに本社を置き、民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバル・サービス、ボーイング・キャピタルの4つの部門で事業を展開している。
民間航空機部門は、通常、売上高の約60%、営業利益の3分の2を占め、130座席を超える航空機の生産ではエアバスと競合している。防衛・宇宙・セキュリティ部門は、売上高の約25%、営業利益の約13%を占め、軍用機や武器の製造でロッキードやノースロップなどと競合している。グローバル・サービス部門は、売上高の約15%、営業利益の21%を占め、商用機および軍用機にアフターマーケット・サービスを提供している
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比8%減の139.9億ドル (市場予想は154.9億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.75ドルの赤字(市場予想は0.15ドルの赤字)
1株損益が予想以上の赤字となったほか、売上高とも予想を下回った。民間航空機、防衛など中核事業が冴えなかった。
今後の株価見通し
中核事業がさえず、業績面でしばらく期待できない。当面底値模索の動きとなろう。