想定外のリスクをも予防をしていく必要がある、つまりこれまで確実(安全)だと思っていたことに対してもリスクを想定して回避できるよう検討していかなればならないということですよね。
それはマネーの将来設計も同様です。
もらえると思っている退職金、受け取れるはずの企業年金、基本となるはずの公的年金などなど・・・将来設計の前提としていることが一般的です。
もしこれらが崩れてしまうと、そもそもライフプランニング、マネープランニングというシミュレーションができなくなってしまいます。
プランニングをしておくことはもちろん大変重要ですから、まずは早い段階で「受け取れるはず」の前提に基づいたものはぜひとも行ってみてくださいね。
そこでリスク回避として「プランB」も考えておくことをお勧めしたいと思います。
例えば退職金や企業年金が現在の6掛けや半分になってしまったケース、公的年金の受取開始年齢が現在の65歳から70歳等に引き上げられたケース、なおかつ公的年金額が現在より減額されたケース、上記全てが起こる最悪のケース等々。
もちろん支出に関しては物価上昇率も目標値の2%やそれ以上にも設定し、ただし、収入の上昇率は据え置く等厳しい状況を想定しておくことも必要ですね。
当初前提に基づいて平均寿命まで黒字だった方も、厳しい条件設定によって赤字となってしまう場合も多いと思います。
老後については、公的なもの、勤務先等からの支給に頼らない「自分年金」を考えておきたいものです。
年金のベースには安定収益のための「確実性」と長期における利回りアップのための「利殖性」の投資を偏らずに行うことが大切です。
守りに入って預金一辺倒ではお金はいくら寝かしてもなかなか増えませんし、利殖性ばかり追求すれば・・・今さら繰り返す必要もありませんね。
「確実性」として信用力の高い債券を購入して確実にフィクスト・インカム(金利収入)を得ることはオススメです。
以前長期の米国債投資を行っている人の話を聞いたことがあります。為替リスクはありますが、長期間に渡っての金利収入確保は良いと思いました。ですが現在は「財政の崖」問題等米国財務状況も揺れており、「まさかの想定外のデフォルト」のリスクも考えておく必要はありそうです。
数年単位、数カ月単位の債券は長期債に比べて管理に手間はかかりますが、そうした債券投資の繰り返しの方が安全性は高いかもしれません。
「利殖性」の投資で自分年金を作る方法については次週に続けたいと思います。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員