ロク(ROKU)決算:一株利益は17セントで市場予想を上回る
ロクは、米国の大手ストリーミング配信会社である。2020年にプラットフォームを通じて配信されたコンテンツの視聴時間は590億時間に迫る。
社名を冠したロク・オペレーティングシステムは、自社のハードウェアだけでなく、TCL、Onn、Hisenseといったメーカーのテレビやサウンドバーなどの提携ブランド商品にも搭載されている。
収益は、広告、コンテンツの配信、ハードウェアの販売、OSライセンスの供与、サブスクリプションサービスの提供から生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比28%増の7.34億ドル(市場予想は7.21億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・17セント (市場予想は3.9セント)
売上高は予想を上回ったものの、1株損益の赤字は予想範囲内となった。EBITDAは予想を上回っている。
同社のルーデンCFOは「サプライチェーン問題やインフレ圧力などの短期的なマクロ逆風に直面しているが、これらはストリーミングビデオの長期的な機会に比べて、わい小化される」と述べた。「これらの逆風は年内続くと予想しているが、成長機会への投資を続けている」とも付け加えた。
今後の株価見通し
同社株は以下の通り激しいベアトレンド下にあり、米国の猛烈な利上げ観測、一方で激化するウクライナ危機を考えると、これを上抜くことは容易ではないと思われる。広告は、景気の影響を色濃く反映するからだ。当面底値模索の動きが続きそうだ。
ラスベガス・サンズ(LVS)決算:一株損失は40セントで市場予想を上回る
ラスベガス・サンズは、カジノ、ホテル、エンターテイメント、レストラン、小売、会議・展示会施設を備えた世界最大級の完全統合型リゾートの運営会社である。
マカオにザ・ベネチアン・マカオ、サンズ・マカオ、サンズ・コタイ・セントラル・ロンドナー、フォーシーズンズホテル・マカオ、パリジャン、シンガポールにマリーナベイ・サンズ・リゾート、米国にザ・ベネチアン、ザ・パラッツォ・ラスベガスを保有する(ラスベガスの資産は、2022年中に62億5,000万ドルでアポロ・グローバル・マネジメントとVici プロパティーズに売却する計画)。
2025年にシンガポールで4つ目のタワーをオープンするとみられる。ラスベガスの資産売却後は、全てのEBITDA(利払前・税引前・償却前利益)がアジア地域で生み出され、売上高の大部分をカジノ事業が占めることになる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比21%減の9.43億ドル(市場予想は10.8億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・40セントの赤字(市場予想は23セントの赤字)
売上高は予想を下回り、調整済みEPSの赤字幅は予想以上に悪化した。
同社は昨年3月3日、ラスベガスのカジノを含む統合型リゾート施設を約62億5000万ドルで売却すると発表した。本場ラスベガスのカジノから撤退し、マカオとシンガポールで展開するアジア事業に集中する。
今後の株価見通し
48ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
メルク(MRK)決算:一株利益は2.14ドルで市場予想を上回る
メルクは、循環代謝病疾患、がん、感染症など幅広い治療分野の薬剤を製造する医薬品会社である。がん治療薬の中では、がん免疫療法が成長分野で全社売上高への貢献度が高い。
また、B 型肝炎、小児疾患、および、子宮頸がん(HPV)、帯状疱疹予防薬などさまざまなワクチンも製造している。さらに、動物の健康のための医薬品の販売も手掛ける。地域別では、全社売上高の半分近くを米国市場が占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期32%増の159.01億ドル(市場予想は145.79億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・2.14ドル(市場予想は1.83ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。新型ウイルス感染向け経口薬「モルヌピラビル」の販売が予想を上回ったことが貢献した。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は新値圏にある。同社のような大型薬品株、現下の相場環境に適応しており、更なる上値追いとなろう。
アップル(AAPL)決算:一株利益は1.52ドルで市場予想を上回る
アップルは、スマートフォン(iPhone)、タブレット(iPad)、PC(Mac)、スマートウォッチ(Apple Watch)、AirPods、テレビボックス(Apple TV)など幅広い消費者向け電子機器の設計を手掛ける。製品のうちiPhoneが純売上高全体の大半を占める。また、製品ユーザーにApple Music、iCloud、Apple Care、Apple TV+、Apple Arcade、Apple Card、Apple Payなど多様なサービスを提供している。
アップル製品には社内で開発されたソフトウェアや半導体が搭載されており、アップルが、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合したビジネスモデルを採用していることは広く知られている。
製品は、オンラインストアをはじめ、アップルの直営店舗や一般の小売業者を通じて販売されている。純売上高全体のおよそ40%を米州が占め、残りは海外のさまざまな地域で生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(1-3月期)実績
★売上高… 前年同期比8.6%増の972.8億ドル(市場予想は939.8億ドル)
★1株あたり利益(一部項目を除く)…1.52ドル(市場予想は1.42ドル)
1株利益、売上高とも予想を上回った。自社株買いプログラムを900億ドル相当拡大したほか、四半期配当を5%増配し1株0.23ドルとすることも同時に発表。iPhone、iPad、サービス部門の売上高が全て予想を上回った。
今後の株価見通し
再度上値をうかがう展開となろう。