先日、とある女子会(!)で、金融とは無縁の女性の集まりでは珍しく運用の話になりました。
ほぼ全員投資に無関心なタイプでしたが、それでも女性はおトクなことが大好きですし、それぞれ聞きかじった「ちょっと良さそうな投資話」を披露していました。

一人が「不動産投資は効率がよいらしい」と言い出しました。
確かに手元の余裕資金がかなりの金額であるような場合は、以前にもご紹介したように「上手くいけば」高い利回りを得ることも可能かもしれません。

第276回 悠々自適な人は・・・ https://info.monex.co.jp/lounge/money/2012/06/11.html

これまでも書いてきましたが一点集中投資というのはどんな投資でも大変リスクが高いものです。自身の投資資金を全額つぎ込んでワンルームマンションを一室保有するような投資は個人的には非常にリスクが高いものと考えます。

「一棟のビルを複数の人が資金を出して保有、一口が数百万円くらいで利回りが高いらしい。空室等の保証もあるらしい。」

という話で、私募ファンドのような形をとっているようですが、一口の金額は数百万円以上のようですし、クローズド期間(換金(=解約)できない期間)は数年とけっこう長いようでした。

確かに一部屋を個人で保有、管理等全て行うのに比べれば利回りの確実性は上がるとは思いますが、一棟の建物という意味ではその土地、建物のリスクに一点集中しているには違いありません。クローズド期間が長ければ長いほど、何かあったときに資金逃避・回収がしにくくなってしまいます。

不動産投資に関心があるのであれば、換金が自由かつ簡単、少額(数10万円程度から)でも投資できる方法としてREITの話をしました。
複数の不動産に分散投資できる点もリスク軽減の魅力だと話したのですが、意外とREITのことを知らない人が多く、まだまだ一般には十分に浸透していないのだな、と感じました。

おりしも今月下旬から国内最大級の新規上場が相次ぐというニュースが出たばかりです。政権交代によるインフレ期待(不動産はインフレに強い商品!)もあって日本の不動産市況も底入れが期待されているようです。

REIT(J-REIT)は上場投信ですが、それ以上に手軽かつもっと少額で、世界の不動産に投資することも投資信託を利用すれば可能です。
積立までできてしまう手軽さは不動産投資というイメージとは異なるかもしれませんね。

「良さそうな話」ではなく、自身の資金の性格、金額、投資期間等を考えて投資方法を選びたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員