ファッションの流行は何年~何10年かごとに繰り返しがありますが、過去にアニマル柄が流行した時にちょうど不況の最中だったということで、一種の「アノマリー現象」(=合理的に説明がつかない市場の変化のこと)として言われているのでしょう。
単なる偶然で流行時と不況時が重なったのか、不況時の景気づけに深層心理がアニマル柄に向かわせたのか、はたまた心の癒しとして動物ものを身につけたくなるのか、そのあたりは不明ですが・・・。
さて、今年のトレンドはアニマル柄と言われています。
ああ、やっぱり・・・と感じる方も多いかもしれませんね。
現在の市場のみならず、年金に関するニュースなど将来への不安を増大させるものも多く、特に20~30代の世代にとっては「明るく豊かな未来」は想像しにくいでしょう。
こういう時、人々の不安な心理には怪しい話が付け込んできやすいものです。これまでも何度か投資詐欺の話は紹介してきましたが、つい最近も非常に誤解を招きやすい金融商品の広告を目にしました。
その広告はいわゆる大手の金融機関のものではなかったのですが、危ない詐欺を行うところとも思えず驚きました。
大手の金融機関は広告に対して「コンプライアンス・チェック」をして、市場商品に対して「絶対儲かる」「確実な利益」といった表現はけっして使用しません。
市場の動きは将来を約束できるものではありませんから、どんなに高いリターンを目指して商品設計をしても(高いリターンを目指せば目指すほどリスクは高くなり)、「絶対確実」ではウソとなってしまうことがあるからです。
投資や経済をよく知らない人は安心したいので「絶対」という言葉を拠り所とし、リスクを考えずに大金をつぎ込んでしまう可能性があります。そうした行為を抑止することは法律で制定されており、キチンとした金融機関はその法律を順守します。
私が見たのは「月々数万円積み立てて数十年で一億円になる」(実際には「数」には具体的な数字が入っていました)というもの。
想定利回りを10%以上とし、こうした広告の定番ですが「普通の日本人は知らない」ヘッジファンドだというのです。
ヘッジファンドということは当然市場で取引してリターンをあげるものですから、けっしてフィクストインカム=確定利付き投資ではありません。市場で取引されるものであれば、数十年にわたって一度も外すことなく10%以上の利回りを出し続けるなんてほぼ不可能と言えるでしょう。
そうした根拠のない「想定利回り」を絶対だと信じて大金を投資することは大変危険です。そのためにも広告に惑わされない程度の投資や経済の基礎の勉強はしておきたいですね。