東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅に3日続伸となりました。41円高の27,259円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げ10時20分過ぎに256円高の27,474円まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると一段高となり11時10分に353円高の27,571円まで上昇し329円高の27,547円で前場を終えました。
331円高の27,548円でスタートした後場の日経平均は13時前に241円高の27,459円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直し14時10分過ぎに362円高の27,580円まで上昇すると結局335円高の27,553円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
クボタ(6326)が一時4.0%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の1.0%にあたる1150万株と200億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。花王(4452)も3.5%高となりました。市場予想を上回る増収増益決算を発表した日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が昨日の米国市場で2.7%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率2位となったことで花王にも連想買いが入りました。
東光高岳(6617)も一時8.3%高となり年初来高値を更新しました。半導体や電子部品の供給不足に伴うスマートメーター(次世代電力計)の生産遅れが一部解消し大手電力会社向けのスマートメーターの取り換え工事が進んだことなどから2022年3月期の営業利益の見通しを33億円から46億円に上方修正したことで買いを集めました。また、オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディング(ASML)が市場予想を上回る決算を発表したことで日本市場でも半導体製造装置関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が3.5%高、レーザーテック(6920)が6.3%高、SCREENホールディングス(7735)が2.7%高、ディスコ(6146)も4.2%高となりました。
一方でキヤノン(7751)が一時3.0%安となりました。半導体露光装置や監視カメラが想定よりも伸びることなどから2022年12月期の純利益が従来予想を約50億円上回り2500億円前後になる見通しと伝わりましたが、上振れ幅が小幅で物足りないとの見方から売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は335円高となりました。昨日の米国市場で市場予想を上回る決算を発表した銘柄に買いが入りダウ平均が続伸となったことで上昇となりました。上げ幅を広げ25日移動平均線(27,371円)を上回り節目の27,500円を回復したことから明日以降の展開に期待が高まりますが、本日からスタートする決算発表を支えに水準をさらに切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、本日は引け後に日本電産(6594)やディスコが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には3月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。さらに21日の米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されているほか、AT&T(T)やダウ(DOW)などの決算発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)