先週金曜日の米雇用統計の結果は予想と期待を裏切る結果となり、今週のFOMCでのQE3実施決定の可能性が高まったと言えます。
ユーロについては先週ECB理事会による無制限での国債購入詳細表明があったことで安心感が広まっているだけに、市場は木曜日のFOMCに注目しての動きになりそうですね。

ところで、これらは短期的な予想⇒結果で勝負するための情報です。
指標や政策は経済の動きを捉えているものではあるものの、必ずしも中長期に渡る約束事にはなりえません。どちらかといえば、発表前後の市場への影響が大きいと言えます。
刻々と変わる市場の動きを見ての取引であれば、その取引を完了させる(買ったものを売却する、売ったものを買い戻しするなど)時も同じスタンスで市場を見て決定するべきです。
これは株式でもFXでも、市場を相手にする取引であれば同じです。

短期のチャートを見て購入したものの、売却タイミングを逸し、塩漬けにして保有した上で「長期投資」と言ってみたり、様々な分析の上で長期的な上昇を見越して購入したのに、ちょっとでも価格が下落すると動揺してあわてて売却してしまうというのは間違いです。
ただし後者については、たとえ長期的視野に基づいた取引でも、事情・環境が変わって下落しているような場合は「長期」に縛られずに速やかに損切りをすることは重要です。

では投資スパンはどのように決めればよいのでしょうか。
投資家自身の生活スタイルや性格などによっても異なってくると言えますが、投資商品の性質、そしてその時の市場環境が大きく関わってきます。

例えば、日中仕事のサラリーマンにとって日本株の短期売買は時間的制約で厳しいですが、FXであればロンドン-NYタイムの取引が活発ですから短期のものでも帰宅後に取り組むことができます。

性格的な点からいえば、多少の価格の変動には動揺しないでいられるタイプであれば、中長期的な株式投資も問題ないのではないでしょうか。

たとえ損切り、利食い注文を入れたとしても夜間の値動きが心配で寝ていられないのでFXはしないと断言する方にお会いしたこともあります。

大切なのは市場環境です。

中長期的な方向性が見える時であれば、短期~長期どのスパンでも好みで行って問題ないと思います。
残念ながら現在は、世界経済全般が混沌としており、リスクが大きい状況にあるといえます。こういう場合は気がつけば急変、急落ということが十分にありますので、あまり悠長に構えてしまうと痛手を負うことになりかねません。
必ず両サイド(損切り・利食い)ラインを決め、かつ小まめに市場の動向をチェックするとよいですね。

自分にあった投資スパンを見つけないと、投資結果のみならず、投資自体がストレスになってくることがありますので、あらためて確認してみてくださいね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー