東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。296円高の27,096円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めると10時過ぎにマイナスに転じましたが、22円安で下げ渋ると再びプラスとなり31円高の26,830円で前場を終えました。上げ幅を再び三桁に広げ137円高の26,936円でスタートした後場の日経平均はさらに持ち直すと14時50分過ぎに221円高の27,021円まで上昇しましたが、引けにかけて27,000円をわずかに割り込むと結局185円高の26,985円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
大阪瓦斯(9532)が一時4.9%高となりました。子会社が出資する天然ガス生産などの事業が堅調に推移していることから法人税調整額約426億円を計上することになり2022年3月期の純利益の見通しを775億円から市場予想を上回る1280億円に上方修正し一転して増益予想となったことから大幅高となりました。アパレル大手のTSIホールディングス(3608)も7.9%高となりました。自己株式を除いた発行済み株式の6.56%に当たる600万株と20億円を上限とする自社株買いを発表したことに加え、ゴルフウエアブランドなどの取引を強化することを目的にスポーツ用品店のアルペン(3028)がTSIホールディングスの発行済み株式の3.7%を取得したと発表したことで買いを集めました。
また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近く上昇したことから半導体製造装置関連銘柄が買われレーザーテック(6920)が5.3%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)が3.4%高、アドバンテスト(6857)も3.0%高となりました。さらに128円台前半まで円安が進んだことから自動車株が高く、なかでも日産(7201)が3.9%高、マツダ(7261)も4.9%高となっています。
一方でリース大手の東京センチュリー(8439)が3.2%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルスの感染拡大で航空機リース事業の苦戦が長引き計画を上回る減損損失を計上することで2022年3月期の純利益の見通しを600億円から500億円に下方修正したうえ、ロシアの航空会社向けの投融資残高が約6億ドル(約760億円)あると発表したこともあって大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は185円高となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まったことから自律反発を期待した買いが入り上昇となりました。しかし、節目の27,000円を上回ってスタートしたものの寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めると小幅にマイナスとなるなど伸び悩み、引けは27,000円にわずかに届きませんでした。そのため27,000円近辺での上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで27,000円や25日移動平均線(27,224円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には3月の米住宅着工件数が発表されるほか、19日の米国ではネットフリックス(NFLX)やIBM(IBM)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)