誰でも、もし本当に「うまい話」があれば興味を持ちますよね。
一攫千金を期待することもあるかもしれません。

わずかな資金が何十倍、何百倍になる、年率数十%を保証、リスク無し、絶対安全、世界のごくごく一部の限られた人たちだけのために運用されている・・・そんな投資が存在すると思いますか?

答えは否です。
「あなたが知らないだけ」というのが投資詐欺、金融詐欺の常套句です。
投資の世界において、市場環境が全体的に芳しくないときでさえ、ある程度の高収益、高利回りを実現する可能性はあります。ただし、それは大きなリスクを取った上での投資結果で、収益ゼロのみならず大きな損失を出す可能性と背中合わせのものです。
つまり「絶対確実」ではないということ。

「リスク無し」「絶対安全」「確実にもうかる」という言葉は全うな投資の世界ではありえないということはぜひとも覚えておきましょう。

そもそも、リスクとリターン(収益)は裏表セットになっているものです。高いリターンを望むならば、高い(ハイ)リスクととらなければならず、高いリスクがあれば大きな損失につながる可能性があるということです。
限りなくリスクを低くすれば、リターンはほとんどのぞめなくなります。
もちろんオルタナティブ投資のように「絶対収益」を目指す投資もあり、そうした投資はリスクを相殺させるなどして最小限に止める工夫と努力はします。ですが、当然のことながら市場相手ですから「絶対確実」ではありません。

株式やコモディティといった主にキャピタルゲインを狙う投資商品ではリスクが高いからといって「安定的」な高収益に結びつくものではありません。当然のことながら大きく損失することもあります。

もし金利が高い環境であれば、安定的なフィクストインカム(確定利付き)を受け取ることは可能です。日本でも為替リスクもない、比較的安全性の高いシンプルな円建て債券投資で二ケタの金利がついた時代もありました。

ただし現在は世界的に低金利な環境にあること、債券で高金利が付いている時は信用リスクが高いとき(ギリシャやスペインの国債など)であることなどの基本事項を前提として知っておくことが大切ですね。

フィクストインカムを目的とした債券で高利回りに見えるものは、為替リスク、信用リスク、仕組債におけるデリバティブ運用による金利リスクや他の市場のリスクなど様々なリスクがあることを購入前に必ず確認しましょう。

来週は、実際にあった投資詐欺を例にもう少し掘り下げていきますね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー