ユーロ不安の発端となったギリシャの政府債務問題に鑑みれば、巨額の財政赤字を抱える日本としては、必要かつ重要な決断を行ったとも言えるでしょう。
海外メディアからの評価は高いようです。
ストや暴動を起こす南欧諸国と異なり、国民対応も街頭インタビューなどを見る限り、ほとんどの日本人は必要性を認めていて冷静ですよね。
消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法とはいうものの、社会保障制度そのものについてはまだ不透明です。明確なのは消費税率が8%になるのが約2年後(2014年4月1日~2015年9月30日)、10%になるのはその1年半後(2015年10月1日~)とかなりタイトなスケジュールで税率は倍増するということ。
デフレ基調にある現在、2~3年後に収入が10%以上増加することを見込める人は少数派でしょう。欧州の一部の国のような食料品や生活必需品は非課税もしくは軽減税率の導入については未定ですので生活直撃の可能性が大です。
今から対処、工夫をしていかないと個々のライフプラン、マネープランは将来的に非常に厳しいことになりそうです。
よほど家計に余裕のある方以外は、まずは「支出」の再チェックをしましょう。「収入」増加を期待することは多くの方にとって厳しく、マネープラン上の前提にするのは危険だからです。
収入が伸びないのであれば、「支出」を減らすことを第一にする必要があります。
それもチマチマとした「節約」では間に合わなくなるでしょう。
今まで固定支出としてきたものを抜本的に見直す時です。
住居関連、自動車関連、保険関連などがそれにあたります。本当に必要か、もっと割安な方法、代替物はないか等検討してみてはいかがでしょうか。
大きな支出予定のタイミングも見直すとよいですね。養育・教育費のタイミングはずらせませんので(金額の変更はもちろん可能)、その他の大きな出費予定を中心に。特に現在の家計で余裕資金がなく、かなりひっ迫しているような場合は早急に対処すべきと言えます。
複利効果は時間が味方ですが、借金は時間が長くなるほど雪だるま式で負担増になりますので要注意です。
お金を増やすためのもう一つの方法に「投資」があることはご存知ですよね。ですが安全性の高いフィクストインカム(金利収入)で5%を超えることが難しい今、マネープラン上の予定投資収益率を3~5%などに設定することも危険です。
投資は上手くいけば年率二ケタの利回りを得ることもまれにありえますが、キャピタルゲインを中心とした投資をしている場合、長年に渡っての「全戦全勝」はほとんど不可能です。
ただし時間を味方にした投資がマネープラン上大切であることに変わりありませんから、上記の支出の見直し等で、ぜひとも貯蓄・投資資金をより多くねん出するように努力してみてください。
その上で、一点集中、高レバレッジなどのリスクの高い偏った投資にならないようにバランスをとってくださいね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー