東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。101円高の26,436円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると前引け間際に430円高の26,764円まで上昇し420円高の26,755円で前場を終えました。438円高の26,773円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに498円高の26,833円まで上昇した後一旦伸び悩むと13時40分過ぎに381円高の26,716円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと大引け間際に550円高の26,885円まで上昇し結局508円高の26,843円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が4.2%高となっています。

2.個別銘柄等

ローソン(2651)が11.6%高となりました。2014年に約550億円で全株式を取得し完全子会社化した高級スーパーの成城石井を2023年度までに東京証券取引所に新規上場させる方針を固め、上場時の時価総額が2000億円を上回る可能性があると伝わったとから投資回収を期待した買いが入りました。計測器大手の日置電機(6866)も15.8%上昇しストップ高となりました。電子部品業界などの主要顧客の積極投資を受けて計測器の受注高が伸びていることなどから通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。また、投資判断と目標株価の引き上げに反応したのがキッコーマン(2801)やブリヂストン(5108)で、キッコーマンが4.5%高、ブリヂストンも3.2%高となりました。さらに原油価格の上昇を受けて資源開発大手のINPEX(1605)が4.8%高となっています。

一方で本決算を発表したJ.フロント リテイリング(3086)が4.9%安となりました。主力の百貨店事業やショッピングセンター(SC)事業で来店客数が上向くことなどから2023年2月期の営業利益が前期比2.2倍の210億円になる見通しを発表しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。塩野義製薬(4507)も11.1%安となりました。厚生労働省に製造販売承認を申請中の新型コロナウイルス向けの飲み薬について動物実験で胎児に奇形を引き起こすリスクが確認されたと伝わったことで売りが膨らみました。パーク24(4666)も4.3%安となりました。電気自動車を含む新型車両の導入やアプリケーション開発といった成長投資に充てるため海外募集による新株発行で約254億円を調達すると発表したことで株主価値の希薄化や需給悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は508円高となりました。昨日の米国市場が小幅な下げに止まるなか昨日に大きく下げた反動で買いが優勢となりました。一日を通して上げ幅を広げ昨日の下げを上回る上昇となったことから下値への警戒感も一旦和らぎそうで、こうしたなかで明日以降に買いが優勢となった場合には25日移動平均線(26,938円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が続いていますが本日も引け後にはエービーシー・マート(2670)やアダストリア(2685)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には3月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、13日の米国ではJPモルガン・チェース(JPM)やデルタ航空(DAL)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)