先週金曜日発表の米雇用統計は予想より弱い結果となり、ユーロ情勢に加えて市場には厳しい状況が続きそうです。

不安定な市場で下落相場にもチャンスがある投資として、これまでFX投資やベア型ETFの活用などをオススメしてきました。「売り」からも入れる金融商品です。(ベア型ETFは「買う」ことで「売り」の効果があるもの)

株式投資は基本的には「買って値上がりを待つ」商品の代表とも言えますが、下落相場で「儲ける」方法があります。
もちろん前述のベア型ETFも株式市場を対象にした下落相場で儲けられる商品ですが、個別銘柄投資ではありません。個別銘柄に投資し、かつ下落時に儲けることができる投資に「信用取引」があります。

信用取引というと、「親の遺言で手を出すなと言われた。」「身上を潰す。」などと「危ない取引」という扱いをされていた時期もありました。
現物株式投資とは仕組が異なっていること、取引にコストがかかることなどでハードルが高いと思っている方も多いかもしれませんね。

ですが、最近ではFX投資を行う投資家も増えてきている分、信用取引をさほど難しさを感じない方が増えているのではないでしょうか。
というのも、FX投資の証拠金を置く、レバレッジをかける、スワップの受払をするという仕組は実は信用取引の仕組に大変よく似ているからです。

信用取引もFX投資同様レバレッジがかかる金融商品ですから、なんといってもリスクや仕組を十分に理解した上で、きちんとコントロールして利用することが大切です。

もっとも効果的なリスク・コントロールの一つに「損切りオーダー」があります。
儲けるためにはそれだけのリスクを取るということで、いかに損失を限定させるかということが大事なのです。

人は心理的に相場に振り回されやすいものです。
こと損切りに関しては、あくまで機械的に行い、気持ちに負けないことが、こうした取引で利益率を向上させる重要なポイントになるのです。

信用取引には逆指値、ツイン指値といったリスク管理のオーダーがありますので、これらを上手に活用し、かつ「指値は取り消すべからず」といった格言通りに行動したいものですね。

もし自身で指値オーダーを入れることに迷う方、実行できない方などは、ぜひとも「事前に設定された損切り決済率に達すると、自動で決済注文が発注されるサービス」(「みまもるくん」)を活用されることをオススメします。

リスク・コントロールさえできれば、信用取引もけっして危ない・コワいものではなくなるはずです。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー