東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。108円安の26,877円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で222円安の26,763円まで下落した後切り返すと10時10分過ぎにプラスに転じましたが、18円高の27,004円で上値が押さえられるとまもなくしてマイナスとなり192円安の26,793円で前場を終えました。179円安の26,805円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに265円安の26,720円まで下落しました。しかし、その後やや持ち直すと結局164円安の26,821円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が4.0%安となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表した安川電機(6506)が一時4.0%高となりました。人手不足や自動車の電動化を背景に工場の自動化需要が高まり主力のモーターやロボットの販売が伸びることなどから2023年2月期の営業利益が前期比36.2%増の720億円となる見通しを発表し市場予想を上回ったことで上げ幅を広げる場面がありました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると下落に転じ下げ幅を広げ3.1%安で取引を終えています。

また、東京電力ホールディングス(9501)が16.2%高となり年初来高値を更新しました。岸田首相が記者会見で電力需給の逼迫を避けるために再生可能エネルギーや原子力などエネルギー安全保障、脱炭素の効果が高い電源を最大限活用すると述べたことで原子力発電所の再稼働を期待した買いが入りました。そのほかの電力株も高くなかでも中部電力(9502)は7.4%高となっています。女性向けフィットネス施設を運営するカーブスホールディングス(7085)も9.0%高となりました。入会者の増加に加え経済活動の再開に伴う利用拡大もあり上期の営業利益が前期比でほぼ倍増となったことで買いを集めました。

一方でキユーピー(2809)が4.1%安となり年初来安値を更新しました。海外や国内の業務用で調味料などの販売が伸びているうえ、マヨネーズの値上げも寄与し第1四半期の営業利益は前年同期比で6.5%増となりましたが通期予想を据え置いたことが嫌気されました。ドトール・日レスホールディングス(3087)も一時3.7%安となり年初来安値を更新しました。時間短縮などの営業規制や消費マインド低下の影響を受け2022年2月期の営業損益の見通しを30億円の黒字から18億円近い赤字へと下方修正したことで売りが優勢となりました。さらに日本電産(6594)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は164円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て先週末の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅安となったことで売りが優勢となりました。しかし、25日移動平均線(26,811円)を下回ったところでは下げ渋り25日移動平均線を上回って引けています。先週末同様に25日移動平均線を割り込むと押し目買いが入ってくるようでサポートとなっていますが、明日以降も売りが優勢となった場合には25日移動平均線が引き続き支えとなるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の決算発表が続いていますが、本日も引け後に高島屋(8233)やライフコーポレーション(8194)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)