支給額は前年比減が多数派のようです。
使い道についてのアンケート調査で目立つのは「貯蓄」「ローンの返済」「生活費の補填」です。家計の苦しさ、将来の生活への不安が見て取れる結果です。
「貯蓄」は、株式などの金融商品の購入にあたる「投資・運用」とは別に預貯金のみを指している調査が一般的なようです。「投資・運用」の比率は「貯蓄」ほど、高くはありません。
リスク回避傾向が高いということですが、もし「貯蓄」にする理由が将来(老後)の不安である場合は、もう一度使い道を検討してもよいかもしれません。
本当に「貯蓄」が必要なのは以下のような方々です。
・小さい子供がいる → 近い将来にかかる教育費が確定
・住宅関連費が必要 → 近い将来購入予定 (頭金が必要) 又はローンの繰り上げ返済を予定
・転職予定 → 万が一のための生活費6ヶ月程度の流動性資金が必要
・シニア世代 → 目前の老後資金を減らせない
漠然とした老後への不安を持つ20~30代の若い世代であれば、複利効果を狙って「お金を殖やす」ためにも「投資・運用」を検討してほしいものです。
その分リスクは高くなりますが、ゴールまでの長い時間という強力な武器がありますので蒔いた種が歳を経て、花開く確率が高くなります。
もちろん、むやみやたらにリスク性の高い商品に投資したり、一点集中型の投機的投資はNGです。投資の基本についての勉強も必須となりますが、あまり難しく考え過ぎずに少しずつ始めてみることが大切です。
ある程度のまとまった資金を手にするボーナス時期は、投資や資産運用を始める良い機会といえるのではないでしょうか。
また、「ローンの返済」は「住宅ローン」の場合、繰り上げによって利息分をカットし支払総額を減額できるため、大いに検討すべきです。
ただ以下の点にご注意ください。
・繰り上げ返済はローンを組んでからの時期が早いほど効果が高い
・金融機関によって繰り上げ返済の諸経費が異なるため、金額や時期によってコストが割高になる
・思い切ったローン返済のせいで手元資金が足りなくなり生活費を高い金利で借金するなどの「繰り上げ貧乏」に陥る
もし「ローンの返済」がカードローンなど消費関連であれば下記を参考にしてくださいね。
「生活費の補填」はもっとも要注意なケースです。
支給額が景気や企業業績に連動する不安定なボーナスを前提にした生活スタイルは見直しましょう。自分自身の首をジワジワと締めていくようなことになりかねません。
すでにボーナスを手にされている今、使い道の急な変更は難しいかもしれませんが、今から冬のボーナスに向けて意識を変えたり、プランを立ててみてはいかがでしょうか。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー