年度末の戻りが200日移動平均で頭を抑えられた格好となった日経平均は先週1週間で680円安と窓を空けながら大きく下落したが25日移動平均で下げ止まっている。値ごろ感として、日経平均2万7000円、PER13倍、PBR1.2倍というところが居心地のいい水準か。
今週の注目材料は米国および中国の3月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の発表である。米国のCPIは前年比で8%台を超える伸びと予想されている。予想通りであれば、市場は織り込み済みで限られた反応となるのが通常である。ところが、最近の相場は幼稚なのか、あるいは確信犯的に分かっていてやっているのか、結局はFRBのタカ派スタンス強化に結びつけて相場が売られてしまう。CPIとその市場反応には警戒しておきたい。
今週から米国で1-3月期の決算発表が始まる。JPモルガン(13日)、ゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、シティグループ、ウェルズファーゴ(14日)などの金融機関が先陣を切って発表する。金融機関の前年同期はトレーディングなどが好調だったので、その反動で減益となる恐れもある。
日本でも引き続き2月決算企業の発表が佳境を迎える。11日にはローソン(2651)、高島屋(8233)、Sansan(4443)、12日にはビックカメラ(3048)、Jフロント(3086)、13日にはサイゼリヤ(7581)、吉野家(9861)、14日にはディップ(2379)、ベイカレント(6532)、良品計画(7453)、ファストリ(9983)などが予定している。また14日には半導体関連に影響の大きい台湾積体電路製造(TSMC)の1-3月期決算発表もある。
また、すでに先週発表を終えた安川電機(6506)の決算は市場予想を上回るポジティブなものだった。安川電機は2023年2月期の純利益が37%増の525億円と4年ぶりの最高益になる見通しだと発表した。足元の受注も過去最高となり、市場で懸念されていた中国景気の減速影響は見られなかった。週明けの相場にとって一定の安心材料となりそうだ。
10日は仏大統領選挙の第1回目の投票、14日は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が行われる。15日はイースターのグッドフライデーで外国人は休暇モード入り、週末にかけては薄商いとなるだろう。その投資家不在のなか、北朝鮮の動向が懸念される。4月11日は、金正恩総書記が朝鮮労働党のトップに就任してから10年という節目であり、4月15日は、金総書記の祖父・故金日成主席の生誕記念日「太陽節」で今年が生誕110年に当たる。それらに合わせて軍事的挑発行為をしかねないだけに警戒したい。