目先の上値メドの目安とは
グロース銘柄で構成されているマザーズ指数がじりじりと上昇してきました。東証の市場再編によって、今後は組み入れ銘柄が変わっていきますが、4月1日までに「ダブルボトム」の底入れパターンを形成し、日経平均やTOPIXに出遅れた分のキャッチアップが期待できそうな雰囲気です。
「ダブルボトム」とは、大底局面で谷(安値)が2つ形成される動きのこと。2つの谷は間にある山(高値)を中心に概ね左右対称、あるいは2つ目の谷が1つ目の谷よりも浅いことが望ましいとされています。ただ、実務的には左右対称でない場合の方が多く、谷の深さも明確な基準はありません。
また、山から右へ水平に引いた線を「ネックライン」といいます。2つ目の谷を形成した後の上昇で「ネックライン」を上回れば、ダブルボトムが完成して上昇トレンド入りしたと判断します。
現状に当てはめてみると、2月24日終値652.45P、3月15日終値667.47Pが2つの谷となります。間にある山の頂上が3月1日終値776.18Pです。そのため、「ネックライン」は776.18Pから水平に延長した線となります。3月30日に「ネックライン」を上回ったことで、「ダブルボトム」が完成したことになります。
「ダブルボトム」が完成した後は目先の上値メドが予測できます。「ネックライン」から最も深い谷(安値)までの値幅を「ネックライン」に加えて算出します。今回のケースでは、776.18Pから652.45Pを差し引いた123.73Pを「ネックライン」に加えた899.9Pが目先の上値メドとなりそうです。
底入れパターンを形成した、投資対象として注目の銘柄
さて、東証グロース銘柄で同じようなパターンのものを捉えることができれば、底入れパターンの銘柄を発掘でき、投資対象になります。
4月4日の終値を基準に、売上高成長率が10%以上ある、時価総額の大きい順40位を挙げ、その中から終値ベースで「ダブルボトム」ないしは、厳密には「ダブルボトム」ではないが「安値をつけた後に直近高値を上回った」、底入れ候補銘柄を挙げると以下となります。
フリー(4478)、ウェルスナビ(7342)、メドレー(4480)、セーフィー(4375)、Sun Asterisk(4053)、GMOフィナンシャルゲート(4051)、PKSHA Technology(3993)、プレイド(4165)、アンジェス(4563)、BASE(4477)、JIG-SAW(3914)、ケアネット(2150)、HENNGE(4475)、ヤプリ(4168)など。
過去、旧マザーズ市場の売買代金は4月頃から増加する傾向にあった点からも、ここで底入れパターンを形成した銘柄には注目すると良いでしょう。