東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに小幅反発となりました。19円高の27,685円で寄り付いた日経平均は直後に88円高の27,754円まで上昇しましたが、伸び悩むと先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり39円安の27,626円で前場を終えました。4円高の27,670円でスタートした後場の日経平均は12時50分に1円安の27,664円とわずかにマイナスとなる場面もありましたが、直ぐに持ち直すとその後は小幅高で推移し結局70円高の27,736円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数は3.4%高となっています。

2.個別銘柄等

INPEX(1605)が一時3.0%高となりました。国内外の新興数社と資本提携し原子核同士を合体させてエネルギーを生み出す核融合発電に参入すると伝わったことが材料視されました。象印マホービン(7965)も一時8.7%高となり年初来高値を更新しました。主力の炊飯器が高価格帯を中心に好調だったほか、生活家電分野でも加湿器がけん引したことなどで第1四半期の営業利益が40億円弱となり上期の会社予想30億円を上回ったことから業績の上振れ期待が高まりました。100円ショップのワッツ(2735)も4.1%高となり年初来高値を更新しました。商品原価率改善が順調に進んでいることに加え、人件費や出店・改装関連費用が想定より抑えられたことなどから上期の営業利益の見通しを上方修正したことが好感されました。

また、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることからウェブ会議システムのブイキューブ(3681)やオンライン診療関連のエムスリー(2413)が高く、ブイキューブが一時11.3%高となり年初来高値を更新したほか、エムスリーも4.1%高となりました。さらに国内証券が投資判断と目標株価を引き上げたことでインターネットイニシアティブ(3774)が6.0%高となっています。

一方で先週末の米国市場で半導体株の下げが目立ったことから東京エレクトロン(8035)やSCREENホールディングス(7735)が安く、東京エレクトロンが一時3.0%安、SCREENホールディングスも一時4.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米雇用統計で堅調な労働市場が示されたことで先週末の米国市場が反発したことから70円高となりました。本日から東証の市場区分がプライム、スタンダード、グロースの3区分に再編されましたが影響は限定的で、前場は先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。しかし、一目均衡表の雲の上限(27,581円)を小幅に割り込んだところで下げ渋るなど底堅さをみせると後場に入ってやや買いが優勢となりました。先週末も下げ幅を広げ一目均衡表の雲の上限を割り込む場面がありましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めると一目均衡表の雲の上限を上回って引けるなど、一目均衡表の雲の上限がサポートとなっています。こうしたなかで明日以降も売りが優勢となった場合には引き続き一目均衡表の雲の上限が支えとなるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業の本決算発表がスタートしていますが本日も引け後にはしまむら(8227)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)