GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?

5月6日に行われた注目の仏大統領選、ギリシャ議会選挙はいずれの結果もサプライズはないものの、政治には大きな変化をもたらす結果となりました。そして、決して問題の早期解決につながるわけではなく、引き続きユーロの波乱が予想されます。
米国も4日に発表された雇用統計で市場予想を下回り、景気減速懸念が再燃しています。
このような状況下では、新たな投資先を探している方も多いかもしれませんね。
最近ニュースでもよく話題になり、つい先日テレビ番組でも取り上げられていた国にインドネシアがあります。

BRICsの次、NEXT11(ゴールドマン・サックスの造語; イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ)の一つに数えられつつも、過去、世界経済の波間に埋もれたり、政情不安があったりなど、足踏みが多かったのも事実です。
もちろん世界経済に翻弄されるのはどの国も同じですが...。

インドネシアはNEXT11の中でも飛びぬけて人口が多いことが特徴の一つです。また国土面積は東南アジア最大で、石油・天然ガスなどの鉱業資源に恵まれている一方、農作物の生産量も非常に多い国です。
また、未加工鉱石の輸出に関しての対応(輸出全面禁止を取りやめ、関税を課して輸出を認めることに決定)をめぐっては資源輸入国である日本も大いに関係していますよね。

ところで経済学に経済成長を表す「コブ・ダグラスの生産関数」というものがあります。数式そのものは割愛しますが、下記を表しています。

経済成長率=技術進歩率+労働の貢献分+資本の貢献分

経済が成長していくためには技術進歩、労働力、資本が必要であるということ。労働人口が多い(増加)こと、資本(マネー、資源)があることはそれだけでも経済成長の基礎になると言えます。

また一方で経済成長には消費の増大(需要の創出)がバランスすることも欠かせません。
インドネシアでは前述の通り、人口、資源に恵まれ、その人口の中でも中間所得層が増大し、購買力が急激に増していると言われます。
経済学に当てはめれば十分に大きく経済成長していく下地は整ってきていると考えられるということですね。

実際の経済の動きは理論通りにいくものとは限りませんが、過去10数年に渡って「次」を期待されてきたインドネシアがそろそろ本当の主役になる可能性が高まってきているとも言えそうです。
あくまで長い目で見るべき市場だと思いますが、新たな投資先の一候補とするのもよいかもしれませんね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー