【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,228.81 ▼65.38 ( 3/30 )
NASDAQ: 14,442.28 ▼177.36 ( 3/30 )
1.概況
米国市場はロシア軍が首都キエフなどでの軍事活動の縮小を表明した後もロシア軍による攻撃が続いていることから停戦交渉への期待が後退し反落となりました。20ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくしてプラスに転じましたが67ドル高で伸び悩むと売りが優勢となり取引終盤には235ドル安まで下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが戻し切れず結局65ドル安の35,228ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も177ポイント安の14,442ポイントと3日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
3月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は45万5000人増となり市場予想を上回りました。一方で2021年10-12月期の米実質GDP確定値は年率換算で前期比6.9%増と改定値から下方修正され市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではホーム・デポ(HD)とセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%近く下げたほか、ビザ(V)も2%近く下落しました。また、インテル(INTC)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上げ、ウォルマート(WMT)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、メルク(MRK)も1%以上上昇しました。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ちクアルコム(QCOM)が5%を上回る下げとなり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)、エヌビディア(NVDA)も3%以上下落しています。さらにカルバン・クラインなどのブランドを展開するアパレルのPVH(PVH)も業績見通しで1株利益が市場予想を下回ったことで6%を超える下落となっています。高級家具のRH(RH)も決算で売上高が市場予想を下回ったことから13%以上下げています。スポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)は決算で1株利益が市場予想を上回ったことで9%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.35%となりました。ドル円は121円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の10時30分に中国で製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)