東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。1円安の28,250円で寄り付いた日経平均は直後にプラスとなりましたが、29円高の28,281円で伸び悩むとマイナスとなりその後は下げ幅を大きく広げる展開となりました。11時20分過ぎに363円安の27,888円まで下落し358円安の27,893円で前場を終えた日経平均は465円安の27,786円で後場の取引をスタートさせると13時40分過ぎに516円安の27,736円まで下落しましたが、その後引けにかけて急速に持ち直すと結局225円安の28,027円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で半導体株が堅調だった流れを受けて半導体関連株の一角が高く、レーザーテック(6920)が一時4.4%高となったうえ、ルネサスエレクトロニクス(6723)も3.1%高となりました。原油価格の上昇一服を受け燃料の調達コストが膨らむとの懸念が後退し空運株も高く日本航空(9201)が3.8%高となったほか、ANAホールディングス(9202)も一時3.4%高となりました。

また、カジュアル衣料のハニーズホールディングス(2792)も一時4.2%高となりました。新型コロナウイルス感染症の影響が縮小して人流が回復したことや気温の低下とともに冬物商品が好調に推移したことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で11.1%増と二桁の増益となったことが好感されました。映像制作大手のIMAGICA GROUP(6879)も一時5.0%高となりました。動画配信事業者が自社のコンテンツを国内外で同時に公開できるサービスが引き続き好調なうえ、音楽ライブの収録やCM制作の受注も想定以上に伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを20億円から28億円に上方修正したことで上げ幅を広げる場面がありました。

一方で任天堂(7974)が5.7%安となりました。人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」の最新作の発売日を2023年春に延期すると発表したことを嫌気した売りが出て配当落ち分を考慮した基準値比でも4.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は225円安となりました。ロシアとウクライナの停戦交渉の進展を期待した買いが入り昨日の米国市場が続伸となったことで寄り付き直後に上昇する場面もありましたが、29円高で上値が押さえられると売りが優勢となりドル円が円高に振れたこともあって下げ幅を大きく広げる場面もありました。引けにかけて持ち直したことで230円程度とみられる配当落ちの影響を考慮すると実質的にはほぼ横ばいだったといえます。しかし、200日移動平均線(28,261円)を小幅に上回ったところで伸び悩み下落に転じたことで200日移動平均線が上値の抵抗線として意識されそうです。

なお、日本時間の21時15分には3月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、21時30分には2021年10-12月期の米実質GDP確定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)