この4月から新たな生活を始められた方も多いことでしょう。新たに投資を始めた方もいらっしゃると思いますが、自身の収支を把握した上での投資資金のコントロールはできていますか?

先日、日経新聞に掲載された60歳までに「やっておくべきだったこと」(60歳以上)「しておきたいこと」(50歳代以下)で、金銭面ではいずれも「貯金」がトップでした。
「貯金」といってもここでは「資産形成」という意味ですね。

若い世代になればなるほど公的年金は「当てにできない」という意識が高いと思います。そうなると自分でどうにかしなければならないのですが、デフレ・超低金利が続く日本では将来の収入の大幅な上昇を想像するのは難しく、また預貯金ではお金はほとんど増えないという厳しい状況にあります。

今回と次回の2回で、いかに自分自身のお金をコントロールし、将来「資産形成しておけばよかった」という後悔をしないで済むようにするかのポイントをご紹介したいと思います。

お金は祈って増えるものではありません。お金が足りないときには、以下の3つの方法を工夫することになります。

【1】支出を減らす

【2】収入を増やす

【3】お金を働かす

もちろん「借りる」ことで、その場をしのぐことは簡単ですが、注意すべき点もあります。それについては後述しますね。

【1】支出を減らすということについてですが、やみくもに節約をするのではなく、まずは生活の中での「使途不明金」をなくすだけでも大きく違います。「お財布の中で1万円札を崩すとあっという間になくなる」とはよく耳にしますが、「あっという間」にならないよう把握することから始めましょう。

クレジットカードはつい気軽に使ってしまうかもしれませんが、「借金」であることをお忘れなく。月の収入を超えるような消費はしないように管理したいですね。
リボ払いは便利なようですが、「固定支出」を作り出してしまう上、金利(利息)というコストが余計にかかります。預貯金には利息はほとんどつきませんが、「借金」の利息はけっこうな負担になります。

借金は余計な支出につながり、自身の首を絞めることにもつながりかねないのです。

ボーナスを当てにした消費をすることも止めましょう。特に固定支出(住宅ローンを含む)をボーナス前提にしてしまうと収支計画が狂ってしまう元です。

【2】収入を増やすについてはシングルの場合、自分自身で「稼ぐ」しかありません。【1】と相反するようですが、若い世代は自己投資をケチらずに「稼ぎ力」を身につける努力をすることが将来の収入増加につながることは期待できます。
ファミリー世帯であれば、例えば専業主婦がパートに出るだけで世帯収入は変わります。

【3】お金を働かすについては次回お伝えします。お楽しみに。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー