東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅に4日続伸となりました。408円高の26,170円と節目の26,000円を上回ってスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を大きく広げ10時前に940円高の26,702円まで上昇しましたが、利益確定の売りが出て10時50分過ぎには627円高の26,389円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後は徐々に持ち直す展開となり767円高の26,529円で前場を終えた日経平均は773円高の26,536円で後場の取引をスタートさせると14時10分過ぎに910円高の26,672円まで上昇し結局890円高の26,652円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は4.7%高となっています。

2.個別銘柄等

昨日に出資先のアリババ集団が香港市場で大きく上げたことで大幅高となったソフトバンクグループ(9984)が本日も一時9.8%高まで上昇する場面がありました。中国の副首相が米国市場に上場する中国株の監査問題に取り組む姿勢を示したことから昨日の米国市場で上場廃止への懸念から大きく売られていた中国株の米預託証券(ADR)に買い戻しが入りアリババ集団(BABA)が急伸したことから本日も買いを集めました。また、中国の副首相が景気支援策を講じると表明したことで中国関連銘柄のファナック(6954)や安川電機(6506)、ダイキン工業(6367)なども高く、ファナックと安川電機が7.1%高、ダイキン工業も6.8%高となりました。

さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%高となったことで半導体関連株の上昇も目立ち東京エレクトロン(8035)が4.9%高、レーザーテック(6920)が9.7%高、SCREENホールディングス(7735)が6.2%高、アドバンテスト(6857)が4.2%高、ディスコ(6146)も5.0%高となりました。塩野義製薬(4507)も開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について欧州や北米、アフリカなどで最終段階の治験を始めると発表したことを材料視した買いが入り3.8%高となっています。

一方でJR東日本(9020)は宮城県や福島県などで震度6強を観測する地震が発生し東北新幹線のやまびこ223号が脱線したことから一時2.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は890円高となりました。ロシアとウクライナの停戦交渉の進展や中国の景気対策への期待から昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となりました。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)といった重要イベントを通過したことで動きやすくなったこともあって大きく上げ幅を広げました。節目の26,000円だけでなく節目の26,500円も一気に超えてきましたが、上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線(26,312円)をしっかりと上回ったことで調整一巡への期待も出てきそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や3月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、2月の米住宅着工件数などが発表されるほか、22時15分には2月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)