「単身女性の32%が「貧困」」

先週この刺激的なニュースが報道されました。国立社会保障・人口問題研究所の分析によると、単身で暮らす20~64歳の女性のうち、32%(約3人に1人)が「貧困状態」にあるとのこと。男性(同条件)も25%ということです。

この「貧困状態」というのは、「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値)が全国民の等価可処分所得の中央値の半分に満たない(OECDによる定義)」状態のことで、その国民の割合を「相対的貧困率」といいます。
定義は少々ややこしいですが、要は国民一人あたりの可処分所得をずらっと並べてその真ん中の金額の半分に満たない(=生活が苦しい=貧困)人がどれくらいの割合かを示したものです。

世界と比べて「貧困」なのかといえば、もう一つ貧困を計るモノサシとして「絶対的貧困率」といわれるものがあります。いくつかあるうち、「1日の所得が1米ドル以下に満たない国民の割合(世界銀行による定義)」がその代表とされています。

つまり先進国において相対的貧困率では「貧困状態」にある人の方が途上国の普通の人より生活水準が高いということもありえることとなります。

また、相対的貧困率は所得格差が大きければ、定義上その数字は大きくなってしまうという性質があります。国民の所得の「バラツキ」が平均値に寄っていれば「貧困率」は低くなるということですね。
数字上「貧困」と定義された人が必ずしも本当の「貧困」状態とは言い切れないこともあるでしょう。生活している地域、ライフスタイル等によっては、「所得」だけで生活水準を計れないこともあると思います。

とはいえ、もちろん楽観的な話ではなく、確かに現在の経済状況において「正社員として就職したいけれど仕事がない」という人は多いのも事実で、やむをえずフリーターとなり生活を送っているのは、若年層に限らなくなってきていることは深刻な問題ですよね。

国の社会保険制度に頼れば安心して暮らせるかといえば、年金問題でも明らかなように、現在「普通」に収入があっても、老後に不安を感じている人が多くいます。

国や制度に頼れなければ、自分で何とかしなければ・・・。
となると「投資」で資産を作る・増やすということですが、現在の不安定な市場を見ると投資をすることに不安を感じている方もいるかもしれません。
また、「貧困状態」ではなくとも、投資をするにはそもそも原資が足りない・・・と思っている方もいることでしょう。

投資は誰でも始められるものです。

● 必ずしも値動きが激しい商品ばかりではない

● わずかな金額(1,000円程度でも)から始められる

● 毎月積立てることで、少しずつ増やすことができる

もちろん、投資をすれば「バラ色の未来」とか「絶対安心」というわけではありません。それでも自身のお金をコントロールすること、世の中の経済状況に関心をもつことを早めに習慣づけることは将来にはきっとプラスになると信じています。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー