1月も早くも半ばとなりましたが、このコラムは今年最初です。
遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします!

さて、年明けから米国の経済指標に少し明るさが見えてはいるものの、残念ながら欧州問題はより深刻さを増してきていますね。
毎年のことですが、市場関係者や企業経営者は「希望をこめて」その年の経済に好転を期待する楽観的発言をすることが多いものですが、今年はどうでしょう?

少なくとも先週の「13日の金曜日」は昨年来の噂が現実となり、今後の市場の厳しさを予想させています。

PIIGSに端を発した欧州不安は、これまでAAAの市場優位者であり、かつPIIGS支援国の筆頭でもあるフランス国債の格下げまでもが噂されるようになり、当初は「まさか」と思われていましたが、2011年12月に実際に格下げ検討が発表されていました。

そしてフランス国債の格下げが先週現実となったのです。(そういう意味では市場ではフランス国債の格下げは「織り込み済み」であったと考えられます。)

先日、米大手格付け会社S&Pによって、フランスのみならずユーロ圏9カ国の国債の一斉格下げがありました。アイルランドと既にCC格(投機的要素が最も強い)にあるギリシャ以外のPIIGS諸国(+キプロス)は2段階の引き下げです。
大手S&Pが格下げをしたことで、その他の格付け会社も追随することが予想されます。

「ユーロ崩壊」・・・刺激的で、最近はメディア等を通じてよく見かけるタイトルですが、現実味を帯びてきているのでしょうか。
個人的には文字通りの「崩壊」ではなく、財政(財務統合)をもひっくるめた抜本的改革によって今とは異なる通貨形態を模索することを期待しているのですが・・・日本の財務問題同様、いえ、それ以上(一国の問題ではないだけに)前進の難しさもありますよね。

ユーロ圏の不安は米経済にもダメージを与え、もちろん日本市場においても同様です。再び消極的選択による円高加速、日本株への悪影響・・・けっして明るい材料ではありません。

でも、そこはなるべく楽観的思考を持つように心掛けてみてはいかがでしょうか?
為替市場でも株式市場にも言えることですが、リスクはチャンスでもある!ということです。例えば・・・

● 短期的に方向感がはっきりしているマーケットであれば、しっかりトレンドに乗る

● 反転ラインが想定できるときは、逆張り(指値)をする(ただしリスクは大きいので損切りは同時に入れる)

● 別の値動きをする商品でヘッジ投資する(コモディティ、債券等々)
ただし、現在含み損を抱えているものがあるのであれば、上記のような行動は一度リセット(損切り)した上で行うことをオススメします。

世界各国の金融緩和政策の影響で、市場にはお金がジャブジャブしており、「なるべく安全性が高く、リターンが得られる」投資先を探しています。
動きも早いため、当然のことながらボラティリティが高く、不安定な値動きをすることになりますので、追随するのも大変なのは事実です。

「休むも相場」も一つですが、「リスクはチャンス」という前向きな気持ちも忘れずに今年は投資していきたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員