【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,817.38  ▼797.42 (3/7)
NASDAQ: 12,830.96  ▼482.48 (3/7)

1.概況

米国市場は米欧がロシアからの原油の輸入禁止を協議していると伝わり原油価格が急騰するなか資源高による世界経済の減速が懸念され大幅に3日続落となりました。35ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ昼過ぎに700ドル安余りまで下落した後一旦下げ渋りましたが、引けにかけて一段安になると結局797ドル安の32,817ドルと安値圏で取引を終え今年最大の下げとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も482ポイント安の12,830ポイントとなりました。

2.経済指標等

1月の米消費者信用残高は前月比68億4000万ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、一般消費財・サービスが5%近く下落したほか、コミュニケーション・サービスと情報技術、金融、素材も3%以上下げています。一方でエネルギーと公益事業の2業種が1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもロシアでの業務を停止すると発表したアメリカン・エキスプレス(AXP)が8%近く下げ下落率トップとなったほか、ボーイング(BA)も6%を超える下落となりました。ナイキ(NKE)とウォルト・ディズニー(DIS)も5%以上下げ、マクドナルド(MCD)とアメリカン・エキスプレスと同じくロシアでの業務停止を発表したビザ(V)も5%近く下げています。一方で原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%以上上げ上昇率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が安くフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が6%を超える下げとなり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も5%を上回る下落となっています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)と電気自動車のテスラ(TSLA)も4%以上下げています。また、半導体株も下げが目立ちマイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)、ウエスタンデジタル(WDC)が7%以上下げ、エヌビディア(NVDA)も7%近く下落しています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%安となっています。さらに金融株も売られバンク・オブ・アメリカ(BAC)が6%を超える下げとなりました。原油価格の上昇によるコスト増が懸念され空運株も安くユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が15%安となり、デルタ航空(DAL)も12%を超える下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.77%となりました。ドル円は115円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。本日もウクライナ情勢の動向に神経質な展開となりそうですが、こうしたなかで日経平均が節目の25,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)