クリスマスが終わると、日本では一気にお正月の飾り付けがスターとしますね。今週で今年も終わり、年末気分も一気に加速します。

年々時間が経つのが早まっているように感じます・・・。
どんなに早く感じても、1年は1年として、(毎年言っていますが)「金融商品の総棚卸」⇒リバランスは年末年始のどこかでぜひ行ってみるようにしてみてくださいね。

今年は震災もあり、本当に大変な1年でした。
投資環境の厳しい中、ついつい手元資金の投資に振り回されてしまったり、保有資産の時価評価から目をそむけて放置してしまったり、ということも多いのではないでしょうか。
そのままにすると、やがて自身の金融資産の全体像がぼやけてきて、リスクのコントロールが難しくなってしまいます。

「金融商品の総棚卸」の方法は、具体的には以下のような順番で行います。
【1】 金融資産の把握・・・どの商品をいくら保有しているか(時価)
複数の金融機関に同種の金融商品を保有している場合も、金融商品ごとにまとめて一覧にする。

【2】 全資産の中で割合の確認・・・ポートフォリオの確認(前年との比較)各金融商品の全資産に対する比率を出し、円グラフなどで視覚的に捉える。外貨建て資産の場合は、通貨別にも把握する。

【3】 自分のリスク許容度と、現ポートフォリオとの比較・・・リスク・バランスの確認
株式、債券、為替、コモディティ等資産の偏りによってリスクが増大していないか、自分でコントロールできる範囲か、確認する。

【4】 金融資産の売買によるバランスの調整・・・「リバランス」

余剰資金(流動性資金)が増えていれば、来年の投資計画も考える。

4のリバランスについては、無理に年末年始の市場参加も少なく、閑散としている市場で行う必要はありません。

相場の状況を見ながら調整していけばよいでしょう。

本来の「リバランス」は相場を考えずに同時に一気に行うこととされていますが、現在のような市場環境においては、これまで言われてきたような投資のセオリー(分散投資の効果、長期保有の効果など)がそのままでは通用しにくくなっていると感じています。
そのため、あえて市場を見ながらの判断と書きました。

ただし、「まだ・・・」「もう・・・」といった心理に振り回される可能性が高い、メンタルが弱いと感じる方は、機械的にこれまで決めていた時期に行う方がよいかもしれませんね。

「年に一度の見直し」は、年に1回資産全体の把握と調整をしましょうという意味で、それ以外は投資したままほっておいてよいというわけではありません。

特にレバレッジがかかっているなど、リスクの大きい金融商品を保有している場合は、万が一にも市場からの「強制退場」にならないよう、日々の相場のチェック、情報収集は怠らず、リバランスとは別に資産管理を徹底するようにしてくださいね。

今年も、ご愛読ありがとうございました。
引き続き来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

良い年末年始をお迎えください。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員