東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続落となりました。351円安の25,634円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を大きく広げると10時40分過ぎに979円安の25,006円まで下落しましたが、節目の25,000円を割ることなく下げ渋るとやや戻し819円安の25,166円で前場を終えました。745円安の25,240円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに919円安の25,065円まで下げ幅を広げた後14時20分過ぎに591円安の25,393円まで持ち直しましたが、上値は重く引けにかけて下げ幅を広げると結局764円安の25,221円で取引を終え昨年来安値を更新しています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、日経ジャスダック平均は昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

欧米諸国がロシアからの原油輸入を禁止することを検討していると伝わり原油価格が急騰したことから石油関連株が買われ、資源開発大手のINPEX(1605)と石油元売り大手の出光興産(5019)が6.8%高となり揃って昨年来高値を更新しています。また、大手商社株も堅調で三菱商事(8058)が3%以上上げ、三井物産(8031)と伊藤忠商事(8001)も2%を超える上昇となりました。三菱商事と伊藤忠商事は昨年来高値を更新しています。資源高となるなか目標株価の引き上げを受けて住友金属鉱山(5713)や三菱マテリアル(5711)も高く、住友金属鉱山が4.3%高、三菱マテリアルも8.1%高となり、住友金属鉱山は昨年来高値を更新しています。

一方で原油高によるコスト増への懸念から日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が安く、日本航空が9.1%安、ANAホールディングスも5.6%安となりました。原油高による販売減を懸念した売りなどで自動車株も下げが目立ち、トヨタ(7203)が6.5%安、日産(7201)が6.4%安、ホンダ(7267)が3.2%安、マツダ(7261)が7.9%安、SUBARU(7270)が4.5%安、スズキ(7269)が8.7%安となり、日産とSUBARU、スズキが昨年来安値を更新したほか、国内工場で製造する中大型のトラックとバスでディーゼルエンジンの排出ガスなどのデータを改ざんしていた問題で先週末に急落した日野自動車(7205)は売りが止まらず16.8%下落しストップ安となり昨年来安値を更新しています。

さらに日経平均が大幅安となるなか指数寄与度の大きい銘柄も大きく下げ、東京エレクトロン(8035)が4.9%安、ファナック(6954)が7.7%安、ソフトバンクグループ(9984)が5.2%安、信越化学工業(4063)が6.3%安、ダイキン工業(6367)も5.0%安となり、ファナックと信越化学工業、ダイキン工業は昨年来安値を付けています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は764円安となりました。先週末の米国市場が続落となったことに加え、欧米諸国がロシアからの原油輸入の禁止を検討していると伝わり原油先物価格が急騰するなか資源高による世界経済の減速懸念から米株価指数先物が時間外で大幅安となったことで大きく下げ幅を広げました。先週末に引けで何とか維持した昨年来安値(25,970円)を大きく割り込み一時は節目の25,000円近辺まで下落するなど底値を探る展開で下値への警戒感が強く意識されますが、先週末と本日2日間で1,300円以上も下げただけに明日以降の自律反発に期待したいところです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)