今年はどの市場で投資をしていても、かなり難しい、厳しい1年であったと言えますね。
FPという仕事柄、分散して様々な金融商品を保有することのメリットをお話するのですが、グローバル化が進んでいることから世界の市場が同時に動くことが多くなっているのも事実で、世界で株安、通貨安(円の独歩高状況)が進むと自分自身の資産を含め、分散投資の是非に悩むことも多いものです。

とはいえ、一極集中投資のリスクは、やはりこの上もなく高いことには間違いないと思うのです。世界各国の市場が同時に急落したとしても、その回復のタイミングや速度は異なりますし、商品別の反応もまた然りです。

よく、日本株の個別銘柄だけにしか投資していませんという方がいらっしゃいます。
株式投資を趣味の一つと捉え、日々研究し、工夫をしながら長く投資を続けている方も多いので、それはそれで一つの投資の楽しみ方だと思います。

ただ、個別銘柄のみとなると、相当の投資資金がない限り、数多くの銘柄を保有することはできませんし、できたとしても銘柄ごとの管理、コントロールをしていくのはかなり大変なことでしょう。

将来的な資産形成を目的に投資をするのであれば、もう少し幅広い投資をしていく方がプラスだと考えます。

そんな方には、投資信託やETFもお薦めするのですが、個別銘柄の投資をされる方は、「日経平均」や「TOPIX」といった指数に連動するものに投資するのはつまらない!市場全体は下落している時でも、個別であれば上昇しているものも多い!とおっしゃいます。

株式投資の楽しみを知っている方には確かにそうかもしれませんが、そもそも投資信託は指数連動型ばかりではありません。市場全体が下落している時の上昇銘柄を必ずしも当てられるとは限らないのも現実ですよね。

個別銘柄の選択に迷ったとき、負け続けて自信のないとき、プロの選択眼にまかせてみるというのも一つの方法だとは思いませんか?
なにも個別銘柄投資を止める必要はないのです。自分自身でカバーしきれない分野、銘柄に数多く、安く投資する手段だと考えればよいのです。

投資というのは多分に心理的要素も大きいもので、機械的に損切りをしてみましょうと言っても、ついつい「まだ・・・」「もしかしたら・・・」と振り回されてしまうことも多いものです。
例えば、機械的に投資をロボットに任せてしまう、ということも投資信託ではできるので、精神面で弱さを感じるような場合はこうした商品をポートフォリオに加えてみることで投資の幅を広げていくのもよいかもしれませんね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員