東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに反落となりました。日経平均は312円安の26,532円で寄り付くとしばらく節目の26,500円を挟んで揉み合いましたが、10時40分頃から下げ幅を広げると11時20分前に512円安の26,332円まで下落し502円安の26,341円で前場を終えました。
494円安の26,349円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに531円安の26,313円まで下落した後やや戻すと結局451円安の26,393円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
WTIの原油先物価格が一時106ドル台を付けるなど2014年6月以来の高値となったことで石油関連株が買われました。資源開発大手のINPEX(1605)が7.7%高となり昨年来高値を更新したほか、石油元売り大手の出光興産(5019)が3.2%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も4.8%高となりました。ツルハホールディングス(3391)も2月の既存店売上高が前年同月比で3.0%増と4ヶ月ぶりにプラスとなったことで一時2.9%高となり、サツドラホールディングス(3544)も株主優待制度の拡充を発表したことで一時4.6%高となっています。
一方でトヨタ(7203)は日本と米国の2月の自動車販売が前年同月を下回ったことで4.4%安となりました。日産(7201)やホンダ(7267)、マツダ(7261)も安く、日産が3.8%安、ホンダが4.5%安、マツダも4.9%安となりました。また、原油価格上昇による原材料高が懸念材料となりブリヂストン(5108)が6.8%安、横浜ゴム(5101)が4.1%安、TOYO TIRE(5105)も3.4%安となりました。米長期金利の低下を受けて生保株も安く、第一生命ホールディング(8750)が5.2%安となり、T&Dホールディングス(8795)も6.3%安となっています。
さらに投資判断と目標株価の引き下げに反応したのがキリンホールディングス(2503)や太平洋セメント(5233)、三井海洋開発(6269)で、キリンホールディングスが3.5%安、太平洋セメントが7.5%安、三井海洋開発も3.6%安となり、太平洋セメントは昨年来安値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は451円安となりました。ロシアとウクライナの戦闘が激化するなかウクライナ情勢の緊迫化が引き続き相場の重石となり昨日の米国市場が大幅下落となったことから売りが優勢となりました。朝方は節目の26,500円近辺で下げ渋りましたが、下げ幅を広げると530円以上下落する場面もありました。節目の27,000円の回復に失敗した翌日に大幅安となり節目の26,500円を割り込んだことから上値の重さに加えて下値への警戒感も意識されそうですが、こうしたなかで引き続きウクライナ情勢の動向に神経質な展開が続きそうです。
なお、日本時間の22時15分には2月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、3日の午前零時からはパウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で証言を行う予定で注目されます。また、3日の午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)