東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。28円安で寄り付いた日経平均は下げ幅を広げ10時50分前に153円安の27,306円まで下落しましたが、前引けにかけて持ち直すと64円安の27,395円で前場を終えました。28円安の27,432円でスタートした後場の日経平均は12時50分頃から急速に下げ幅を広げ13時過ぎに379円安の27,080円まで下落しました。その後持ち直し下げ幅を縮めた日経平均ですが上値は重く結局227円安の27,232円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.3%安となり昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)が一時4.5%高となりました。サービス開始10周年を迎えることに伴い人気ゲームのパズドラをニンテンドースイッチ向けに発売すると発表したことが材料視されました。また、国土交通省が需要動向の変化などに合わせ柔軟に運賃を設定しやすい仕組みをつくるため鉄道の運賃・料金制度の見直しに向けて議論を始めたと伝わったことで鉄道株が堅調で、なかでも名古屋鉄道(9048)が6.4%高となり、京浜急行電鉄(9006)と小田急電鉄(9007)も2%を超える上昇となりました。

さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが日立(6501)や丸一鋼管(5463)で、日立が目標株価の引き上げを受けて4.2%高となり、丸一鋼管も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.0%高となり昨年来高値を更新しました。大手商社も目標株価の引き上げを受けて堅調で伊藤忠商事(8001)が1.3%高、丸紅(8002)が2.2%高、三井物産(8031)が2.6%高、三菱商事(8058)も3.4%高となりました。東証2部市場ではツインバード工業(6897)が株主優待制度を拡充すると発表したことで5.3%高となっています。

一方で目標株価の引き下げを受けてリクルートホールディングス(6098)が5.8%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は227円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなか昨日に大幅高となった反動で売りが優勢となりました。前場は下げ渋り底堅さをみせましたが、後場に入ってロシアが国境を主張する地域でウクライナ軍が砲弾と手りゅう弾を発射したと伝わるとウクライナ情勢緊迫化を警戒した売りが出て下げ幅を広げました。ウクライナ情勢に神経質な展開がしばらく続きそうで、25日移動平均線の回復に失敗した翌日に下落となったことで25日移動平均線(27,413円)が上値抵抗線として意識されそうです。なお、日本時間の22時30分に米新規失業保険申請件数や2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の米住宅着工件数などが発表される予定で、17日の米国ではウォルマート(WMT)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)