先週、スイス中銀によるスイス高抑制措置として無制限介入の発表がありました。
ご存じの通り、ギリシャ問題以降ユーロ売りが断続的にあり、米国経済の失速懸念によるドル売りもあり、代わりに円とスイスフランが双璧となって買われ、両通貨とも急激な通貨高に見舞われています。

先週の新聞にもありましたが、日本はG7(為替取引の自由を守るという建前がある)の一角という立場もあり、実質実効為替レートのレベルでも最高値となっているスイスフランに対し、実はそれほどの円高水準にないところが、断固たる行動をできない理由だと解説されていました。
「無制限」という強い姿勢と「ユーロ/スイスフランで1.200を下限」といった具体的な目標を掲げた点は確かに日本とは大きく異なり、市場へのインパクトやその受け取られ方も全く違っていますね。

さて、スイス中銀は目標レベルを「ユーロ/スイスフラン」で掲げました。世界全体での平均取引高では基軸通貨である対米ドルのドル/スイスフラン(ドルスイス)の方が多いのですが、スイスは最も取引が活発なロンドン市場と同じヨーロッパ圏にあるため、ユーロ/スイスフランが活発に動くことが知られているためです。
前述の通り、ギリシャ問題でユーロが大きく揺れている今、その対貨はスイスフランになることも多く、値動きが大きいのですね。

以前にも書きましたが、FX取引は流通量が多い通貨ペアを選びたいものですし、値動きが大きいものほどリターンを得るチャンスは大きくなります。もちろん、大きく損をする可能性も大きくなりますが。

ユーロ/スイスフランの取引に挑戦してみたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
ところが残念ながらユーロ/スイスフランを扱っている会社はそれほど多くありません。
かといってその取引のために会社の信用やシステムの安定性を度外視したFX会社選びをすることはお勧めできません。

実は簡単に通貨ペアを組み合わせてユーロ/スイスフランのポジションを手にすることはできるのです。
そもそも基軸通貨を対貨とする以外の通貨ペアは「クロスレート」(中でも対円のものを「クロス円」と呼びます)と言います。

スイスフラン/円(スイス円)も基軸通貨の米ドルをベースに考えた合成レートは
「スイスフラン/円」=「ドル/円(ドル円)」/「ドル/スイスフラン(ドルスイス)」
で求められます。
上記の通り、基軸通貨の米ドル以外でもユーロ/スイスフランのようにユーロを中心に見られる通貨ペアであればユーロを介しても同様に合成レートが求められます。
「スイスフラン/円」=「ユーロ/円」/「ユーロ/スイスフラン」

もし「ユーロ/スイスフラン」の買い(=ユーロの買い・スイスフランの売り)をしたい場合、
「ユーロ/円」の買いとその円の金額分の「スイスフラン/円」の売りをすることで、「ユーロ/スイスフラン」のロング・ポジションになりますね。
このような手法をとると、為替レートについては上記のように手元で計算し、ロンドン時間にユーロ/スイスフランのレートが見ながら、「ユーロ/円」のロングと「スイスフラン/円」のショートを同時に決済するという手間はかかります。

情報も独自に入手する必要が出てくるため、初級者向けではないですが、通貨ペアの幅を自分自身で拡げられることも知っておくと面白いですね。

(※)FX取引についての詳細については、FX PLUS(外国為替証拠金取引)に関する重要事項をご覧ください。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員

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FX PLUS(外国為替証拠金取引)に関する重要事項

■ リスク

[価格変動リスク]
取引対象である通貨の価格(外国為替相場)の変動により、自分の想定と逆の方向に外国為替相場が変化した場合には、元本欠損が生ずるおそれがあります。
[レバレッジリスク]

外国為替証拠金取引は、差し入れた証拠金(為替証拠金)に比べ、大きい金額の取引を行うことができるため、外国為替相場の変動率に比べ投資元本の損益変動率が大きく、取引対象である通貨の価格の変動により、差し入れた証拠金を上回る損失が生じる場合があります。なお、取引額の当該証拠金に対する比率(レバレッジ比率)は、最大25倍程度となります。
[ロスカットルールのリスク]

当社ではお客様の損失を一定の範囲に抑えるための措置(ロスカットルール)を設けてあります。外国為替相場の変動等により、お客様の未決済建玉に評価損が発生し、証拠金維持率が所定の水準に達した場合、お客様のご意思にかかわらず、未決済建玉のすべてが自動的に反対売買されることにより、決済されます。

また、ロスカットルールは、外国為替相場の変動により、所定の証拠金維持率を下回る水準で反対売買される場合があり、ロスカットルールで想定した金額を超える損失が発生する可能性があります。さらに、外国為替相場の急激な変動により、差し入れた証拠金を上回る損失が生じることがあります。
[追加証拠金の発生と反対売買に係るリスク]

当社では、上記ロスカットルールとは別に、営業日の最終為替レートを基準としてお客様の証拠金維持率が100%を下回った場合、100%に不足する金額を追加証拠金としてお客様に預託していただきます。 お客様が不足金額を追加証拠金発生日の翌銀行営業日の午前0:30までに充当しない場合、お客様のご意思にかかわらず、当社は、お客様がFX PLUS 口座で保有する建玉を決済するため、任意に、お客様の計算において転売又は買戻しを行うことができるものとします。
[金利差調整額に係るリスク]

外国為替証拠金取引では、売却している通貨と買い付けている通貨の金利差調整額(スワップポイント)の受払いが日々発生します。スワップポイントは、取引対象である通貨の市場金利を反映するため、市場金利が変動すれば、スワップポイントも変動します。また、スワップポイントが受取りから支払いに転じることもあり、その場合には損失が生じるおそれがあります。
[流動性リスク]

取引する通貨によっては、市場での売買高が少ないため、売戻し又は買戻しができないなど、意図したとおりの取引ができないことがあります。また、相場状況の急変により、ビット価格(BID)とオファー価格(ASK)のスプレッド幅が広くなったり、意図した取引が出来ない可能性があります。
[信用リスク]

外国為替証拠金取引は、当社とお客様との間の相対取引であり、当社はお客様との取引についてカバー取引を行うことから、お客様は当社及びカバー取引先に対する信用リスクを負うこととなります。
[システムリスク]

取引システムの障害や故障又は当社及びお客様を結ぶ通信回線等が正常に作動しないことにより、注文の発注、執行、確認、取消、証拠金振替などが行えない可能性があり、お客様の注文が遅延・無効となる可能性があります。当社は取引システム障害時にお客様の取引執行等を中止することがあります。
[お客様からお預りした財産の管理方法及びそれに伴うリスク]

当社は、お客様との外国為替証拠金取引につきまして、株式会社マネックスFX(金融商品取引業者)にカバー取引を行います。

当社は、お客様から預託を受けた為替証拠金の金銭について、住友信託銀行株式会社又は日証金信託銀行への預金・同行を受託銀行とする金銭信託により、当社の固有財産とは区分し、お客様ごとに管理します。

■ 委託証拠金(為替証拠金)
取引通貨の為替レートに応じて取引額に対して一定の証拠金率(4%)の証拠金(必要証拠金)が必要となります。
※ 必要証拠金として預託できるのは全額現金のみとさせていただきます。

※ 必要証拠金は、リアルタイムの為替レートによって計算され常時変動します。
※ 証拠金率は、法令諸規則等の改定や市場の動向等により、当社の判断において変更することがありますので、ご注意ください。

■ 手数料
取引手数料はかかりません。

■ スプレッド
当社は、通貨ペアごとにオファー価格(ASK)とビッド価格(BID)を同時に提示し、お客様はオファー価格(ASK)で買い付け、ビッド価格(BID)で売り付けることができます。オファー価格(ASK)とビッド価格(BID)には差額(スプレッド)があり、オファー価格(ASK)はビッド価格(BID)よりも高くなっています。

■ その他
外国為替証拠金取引におきましては、金融商品取引法第37条の6の規定の適用はなく、クーリング・オフの対象とはなりませんので、ご注意ください。
お取引にあたっては「契約締結前交付書面」をご覧いただき、取引の仕組みやリスク・手数料等についてご確認ください。