シェブロン(CVX)決算:一株利益は2.56ドルで市場予想を下回る
企業概要
シェブロンは、世界中で探鉱、生産、精製事業を手掛ける総合エネルギー企業である。米国第2位の石油会社で、生産量は日量310万バレル(石油換算)である。これには日量730万フィートの天然ガスと日量190万バレルの石油が含まれる。
生産活動は、北米、南米、欧州、アフリカ、アジア、オーストラリアで行われている。石油精製施設は、米国およびアジアに位置し、原油処理能力は日量180万バレルである。2020年末時点の確認埋蔵量は111億バレル(石油換算)で、61億バレルの石油および29兆9,000億立方フィートの天然ガスが含まれる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比91%増の481.29億ドル(市場予想は449.53億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・2.56ドル(市場予想は3.12ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、売上高が予想を上回ったものの、調整済みEPSは予想を下回った。原油高を背景に大幅増益となったが、1株利益が市場予想に届かず、株価は利益確定売りに押されている。
今後の株価見通し
同社は増配を34年継続しており、配当貴族指数に組み込まれている。原油の先高観を背景に更に上値を追いそうだ。
アトラシアン(TEAM)決算:一株利益は0.5ドルで市場予想を上回る
企業概要
アトラシアンは、より効率的かつ効果的なチームワークの実現を支援するソフトウェアの製造を手掛ける。プロジェクト企画・管理ソフトウェア、コラボレーション・ツール、およびITヘルプデスクなどのソリューションを提供している。
事業は、サブスクリプション(期間ライセンス、クラウドベースのソフトウェア使用契約)、メインテナンス(主に永久ライセンス製品のサポートや定期更新のための年間メインテナンス契約)、永久ライセンス(一括前払いのソフトウェアの無期限使用契約)、その他(研修、戦略コンサルティング、アトラシアン・マーケットプレイスのアプリ・ストアにおける第三者アプリの販売)の4部門で構成されている。2002年に創立され、本社をオーストラリアのシドニーに置く。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比37%増の6.885億ドル(市場予想は6.413億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.50ドル(市場予想は0.39ドル)
第3四半期(1月-3月期)ガイダンス
★売上高・・・6.90-7.05億ドル(市場予想は6.63億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.29-0.31ドル(市場予想は0.40ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第3四半期売上高ガイダンスレンジは予想を上回ったが、調整済みEPSガイダンスレンジは下回った。本日290.89ドルで引けたが、決算発表日引け後の時間外取引では320ドルレベルで推移している(NY時間午後8時時点)。
今後の株価見通し
株価は以下の通りベアトレンド下にある。360ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)決算:一株利益は92セントで市場予想を上回る
企業概要
アドバンスト・マイクロ・デバイセズは、コンピューターおよび家電業界向けマイクロプロセッサーの設計を手掛ける。売上の大部分がCPUやGPUを介したパソコン市場やデータセンター市場向けとなっている。他にも、ソニーのPlayStationやマイクロソフトのXboxなど、著名なゲーム機に使用されるチップを供給している。
2006年にPC業界におけるポジションを強化するためにグラフィックスプロセッサーおよびチップセットのメーカーであるATI社を買収。2009年には半導体製造部門を分社化しファウンドリー(半導体受託生産会社)のグローバルファウンドリーズを設立した。2020年には、事業を多様化し、データセンターなどの主要なエンドマーケットでの機会を拡大するために、FPGAのリーダー企業であるザイリンクスの買収合意が発表された。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★収入・・・前年同期比49%増の48.3億ドル(市場予想は45億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・92セント(市場予想は75セント)
第1四半期(1月-3月期)ガイダンス
★売上高・・・49-51億ドル(市場予想は43.3億ドル)
2022年度通期ガイダンス
★売上高・・・215億ドル(市場予想は193.4億ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも第1四半期、通期とも予想を上回る売上高見通しを示した。市場シェアの拡大とサーバーチップの需要に後押しされた。データセンター向け売上高が2倍に増加。
競合のインテルは先週、これらのチップに対する需要は堅調だが、クラウドの最大手プロバイダーからの売上高は減少したと述べていた。それとは対照的に、同社のEpycサーバーチップをデータセンターに導入している大手顧客からの需要が増加したと発表。また、マイクロソフトの「Xbox」とソニーの「プレイステーション」のそれぞれ新型機の需要が前世代機を上回る状態が続いているとも述べた。
今後の株価見通し
データセンター向け売上高が2倍に増加した。インテルからシェアを奪っているのは明らかだ。ザイリンクス買収により、更にデータセンター向け売上高が伸びそうだ。株価は、145ドル超えから新値奪回の動きとなろう。
NXPセミコンダクターズ(NXPI)決算:一株利益は2,24ドルで市場予想を上回る
企業概要
NXPセミコンダクターズは、高性能ミクスト・シグナル製品の主要サプライヤーである。2015年にフリースケール・セミコンダクターズを買収し、自動車のクラスター、パワートレイン、インフォテインメントシステムやレーダーに搭載されるマイクロ・コントローラーやアナログチップを製造し、現在、自動車市場で大きな市場シェアを有する。
また、工業用途やモノのインターネット(IoT)、モバイル、通信インフラストラクチャー向けにも製品を供給している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★収入・・・前年同期比21%増の30.4億ドル(市場予想は30億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.24ドル(市場予想は3.01ドル)
第1四半期(1月-3月期)ガイダンス
★売上高・・・30.3-31.8億ドル(市場予想は29.5億ドル)
★粗利益率・・・56.8-57.8%(市場予想は56.1%)
10-12月期(第4四半期)の売上高は予想を上回ったが、調整済みEPSは下回った。続く第1四半期売上高、及び粗利率ガイダンスレンジはともに予想を上回った。
今後の株価見通し
今回の決算を受け、更なる上値追いとなろう。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)決算:一株利益は3.59ドルで市場予想を上回る
企業概要
ユナイテッド・パーセル・サービスは、世界最大級の小口貨物配送業者である。500機を超える航空機、10万台以上の運送車両、数百カ所に仕分施設を展開し、1日平均2,200万個を超える荷物を世界各地の住宅および企業に配送する。
米国国内小口貨物部門が全社売上高の61%、国際小口貨物部門が20%を占める。LTL(積合わせ)輸送、海外フレイト・フォワーディング、および、請負ロジスティックが残りの19%を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★売上高・・・前年同期比12%増の277.71億ドル(市場予想は270.77億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 3.59ドル(市場予想は3.10ドル)
2022年度通期ガイダンス
★売上高・・・1020億ドル(市場予想は1000.2億ドル)
10-12月期決算(第4四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。配達料金の値上げと、堅調な配達量拡大が奏功した。また、22年度通期ベース・ガイダンスも公表しており、売上高を約1020億ドル、営業利益率を13.7%と予想している。目標を1年早く達成できる見通し。
今後の株価見通し
同社の好決算は、米国景気の堅調さを物語るものだ。株価は一気に史上最高値を更新した。