東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反発となりました。日経平均は69円高の27,318円で寄り付くと上げ幅を広げ10時過ぎに212円高の27,461円まで上昇しましたが、節目の27,500円を前に伸び悩むと116円高の27,365円で前場を終えました。148円高の27,397円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに49円高の27,297円まで上げ幅を縮めた後13時40分過ぎに104円高の27,353円まで戻しましたが、大引け間際に31円高の27,280円まで上げ幅を縮めると結局35円高の27,284円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
塩野義製薬(4507)が一時4.6%高となりました。開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について治験の中間解析データに基づき通常より早く実用化する条件付き早期承認の枠組みを使うことで2月中にも厚生労働省に製造販売承認を申請する方針を明らかにしたと伝わったことが材料視されました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると下落に転じ引けは1.5%安となっています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)も6.4%高となりました。スーパーやドラッグストア向け大容量ペットボトルの清涼飲料の出荷価格を5月から5-8%引き上げると発表したことで収益の改善を期待した買いを集めました。
また、第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したマルハニチロ(1333)やタカラトミー(7867)などが高く、マルハニチロは新型コロナウイルス禍からの経済再開によって欧米で外食用の水産物の需要が回復したことなどから通期の営業利益の見通しを200億円から230億円に引き上げたことで6.2%高となり、タカラトミーも年末年始商戦で玩具の出荷が好調で通期の営業利益の見通しを80億円から110億円に引き上げたことや自社株買いを発表したこともあって6.9%高となり昨年来高値を更新しました。さらに昨日の米国市場で旅行・レジャー関連株が買われた流れを受けてオリエンタルランド(4661)や日本航空(9201)が高く、オリエンタルランドが4.3%高、日本航空が3.8%高となり、オリエンタルランドは昨年来高値を更新しています。
一方でDIC(4631)が10.1%安となりました。買収した顔料事業で物流の混乱を背景に出荷遅延が続いたことなどで2021年12月期の営業利益の見通しを480億円から430億円に下方修正したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は35円高となりました。買い優勢でスタートすると好決算を発表した銘柄などへの買いを支えに一時は210円以上上昇しました。しかし、昨日の米国市場が方向感に欠ける展開となり高安まちまちとなるなど新たな買い材料に乏しいこともあって買い一巡後は伸び悩みました。明日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表します。決算発表後のマーケットの反応が注目されますが、相場がここからさらに戻りを試すためのきっかけとなるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)や住友金属鉱山(5713)、日産(7201)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)