【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,111.16 ▼518.17 (2/3)
NASDAQ: 13,878.82 ▼538.73 (2/3)
1.概況
米国市場はフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)の急落が他のハイテク株にも波及し5日ぶりに大幅反落となりました。109ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に360ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋り昼前に180ドル安程度まで持ち直しましたが、その後再び下げ幅を広げると引けにかけて一段安となり結局518ドル安の35,111ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も538ポイント安の13,878ポイントとなり3%を超える下落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万3000件減の23万8000件となり市場予想を上回る改善となりました。2021年10-12月期の米労働生産性指数速報値も年率換算で前期比6.6%上昇し市場予想を上回りました。1月の米ISM非製造業景況感指数も59.9と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。一方で12月の米製造業受注は前月比0.4%減となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが7%近く下落したほか、一般消費財・サービスと情報技術も3%以上下げています。
4.個別銘柄動向
メタ・プラットフォームズは決算で1-3月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことなどで投資判断や目標株価の引き下げが相次ぎ26%を超える下落となりました。連想売りが出て写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)とツイッター(TWTR)も大きく下げ、スナップが23%を超える下落となり、ツイッターも5%以上下げています。他のハイテク株にも売りが波及しアマゾン・ドット・コム(AMZN)が8%近く下落したほか、ネットフリックス(NFLX)も5%を超える下落となりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)も3%以上下げています。また、半導体株が安くテキサス・インスツルメンツ(TXN)が6%を超える下げとなり、エヌビディア(NVDA)とクアルコム(QCOM)も5%前後の下落となりました。マイクロン・テクノロジー(MU)も3%安となっています。さらにハネウェル・インターナショナル(HON)が決算で業績の見通しが市場予想を下回ったことで7%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。
一方でディフェンシブ銘柄が堅調でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%近く上げダウ平均構成銘柄でユナイテッドヘルス・グループに次ぐ上昇率となっています。なお、アマゾン・ドット・コムとスナップは取引終了後に決算を発表し時間外で急伸となっています。
5.為替・金利等
長期金利は英イングランド銀行(中央銀行)が追加利上げに踏み切り、欧州中央銀行(ECB)が年内利上げを排除しない姿勢を示したことで0.06%高い1.83%となりました。ドル円は115円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日も米株価指数先物の動向をにらみながらの展開となりそうで、日経平均が節目の27,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)