東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発となりました。日経平均は208円高の28,332円で寄り付くと取引開始から1時間弱で325円高の28,449円まで上昇しましたが、節目の28,500円を前に伸び悩むと11時10分過ぎに149円高の28,274円まで上げ幅を縮めました。やや戻し194円高の28,318円で前場の取引を終えた日経平均は209円高の28,333円で後場の取引をスタートさせると28,300円台で推移し結局209円高の28,333円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は昨年来安値を連日で更新しています。

2.個別銘柄等

大成建設(1801)が3.2%高となりました。大量保有報告書で英投資会社が発行済み株式の5%を保有していると明らかになったことが材料視されました。オービック(4684)も3.0%高となりました。企業のデジタル化投資が活発で主力の統合基幹業務システム(ERP)の受注が増えていることから2021年4-12月期の営業利益が前年同期比1割増の400億円超となったもようで、利益拡大を受けて株主還元を強化すると伝わったことが好感されました。

100円ショップ大手のキャンドゥ(2698)も5.2%高となりました。キャンドゥを子会社化したイオン(8267)がキャンドゥの国内店舗数を5年後に7割増の2000店に増やすと発表したことが材料視されました。第1四半期決算を発表したジンズホールディングス(3046)も5.5%高となりました。昨秋に政府が新型コロナウイルスの感染拡大に対応した緊急事態宣言を解除し想定以上に客足が回復し国内のメガネ事業が堅調に推移したことや、広告宣伝費や販管費を抑えたこともあって通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。

スタジオアリス(2305)も3.1%高となりました。七五三向けの撮影や着物レンタルに力を入れるなど主力の写真事業が好調だったことから第3四半期の営業利益が前年同期比で47.9%増の57億円となり通期予想の50億円を上回ったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。また、マザーズ市場ではメルカリ(4385)が4月からの新しい市場区分で最上位のプライム市場への変更申請を東京証券取引所にしたと発表したことで3.8%高となっています。

一方でアウトドア用品メーカーのスノーピーク(7816)が23.2%下落しストップ安となりました。2021年12月の月次売上高が前年同月比19.3%増となったものの、11月の46.6%増から伸びが鈍化したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は209円高となりました。先週末の米国市場でナスダック総合株価指数がハイテク株に買い戻しが入り反発したことから買いが優勢となりました。しかし、一時320円以上上昇したものの節目の28,500円を前に伸び悩み上げ幅を縮めると今晩の米国市場がキング牧師誕生日の祝日で休場となることもあって後場は様子見ムードを強めました。なお、明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。金融政策に変更はないとみられますが、先週末に「日銀が物価目標が2%に達する前であっても利上げをすることが可能かどうか議論している」との観測報道が流れたこともあって注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)