東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて大幅続落となりました。242円安の28,246円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げると節目の28,000円を割り込み11時10分過ぎに599円安の27,889円まで下落し543円安の27,945円で前場を終えました。498円安の27,990円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに549円安の27,939円まで下落した後持ち直すと28,000円を回復し結局364円安の28,124円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.4%安となり昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)が8.1%高となり日経平均を1銘柄で170円近く押上げました。国内と中華圏は苦戦したものの欧米や東南アジアが伸びたことで第1四半期の営業利益が前年同期比5.6%増の1194億円となり市場予想を上回ったことで買いを集めました。第3四半期の決算を発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)も4.9%高となりました。国内事業の利益予想は一転減益となる見通しながら海外コンビニ事業の利益が大きく伸びることから通期の営業利益の見通しを3800億円から4000億円に引き上げたことが好感されました。同じく第3四半期の決算を発表した竹内製作所(6432)も一時14.1%高となり上場来高値を更新しました。半導体不足や物流混乱の影響が限定的で通期の営業利益の見通しを142億円から167億円に上方修正したことで買いが膨らみました。また、ビックカメラ(3048)が自己株式を除く発行済株式総数の3.41%に当たる600万株と50億円を上限とする自社株買いを発表したことで6.6%高となっています。

一方で名刺管理ソフトのSansan(4443)が一時20.2%下落しストップ安となる場面があり昨年来安値を更新しました。主力の名刺管理サービスは堅調だったものの、広告宣伝費や採用強化に伴う人件費がかさんだことなどで上期の営業損益が赤字となったことで売りがかさみました。下げ幅を縮め引けは9.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は364円安となりました。昨日の米国市場が金融政策の早期正常化を警戒した売りがハイテク株を中心に出て反落となったことで大幅安となりました。節目の28,000円を割り込んだところでは押し目買いも入り下げ渋りましたが、200日移動平均線の回復失敗が続き上値の重さが意識されるなかで下げ幅を広げたことから下値への警戒感が一段と強まりそうで、こうしたなかで週明け以降も引き続き28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22時30分に12月の米小売売上高が発表されるほか、23時15分には12月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が、そして15日の午前零時には1月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。また、米国では決算発表がスタートしますが14日はJPモルガン・チェース(JPM)やシティーグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)などの金融大手が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)