東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。日経平均は97円安の28,380円で寄り付くと取引開始から10分余りで5円安の28,473円まで持ち直しましたが、節目の28,500円を前に上値が押さえられ戻し切れないと下げ幅を広げ11時前に389円安の28,089円まで下落しました。やや持ち直し247円安の28,231円で前場を終えた日経平均は199円安の28,279円で後場の取引をスタートさせると13時30分過ぎに289円安の28,188円まで下落し結局256円安の28,222円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したローソン(2651)が6.3%安となりました。第3四半期9カ月間累計の営業利益は前年同期比で19.5%増となりましたが、第3四半期3カ月間の営業利益が販管費の増加などを受けて前年同期比で23.8%減と減益に転じたことで売りが優勢となりました。良品計画(7453)も4.5%安となり昨年来安値を更新しました。秋冬物の衣料品の販売が落ち込んだことや、前年同期に新型コロナ禍の巣ごもり消費で食品の買いだめ需要があった反動も出たことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で15.3%減となったことが嫌気されました。また、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることで化粧品の需要が伸び悩むとの見方から資生堂(4911)やコーセー(4922)、ポーラ・オルビスホールディングス(4927)が安く、資生堂が5.6%安、コーセーが8.7%安、ポーラ・オルビスホールディングスも3.9%安となり昨年来安値を揃って更新しています。

マザーズ市場ではデザイン家電を手掛けるバルミューダ(6612)も一時9.8%安となり昨年来安値を揃って更新しました。2021年11月に発売したスマホ「バルミューダフォン」の販売を一時停止すると発表したことで売りがかさみました。

一方で武田薬品工業(4502)が一時2.8%高となりました。米国で開催された世界最大級の製薬業界の国際会議で今後10年にわたる持続可能な成長を実現するための事業戦略を発表したことが評価されました。また、米長期金利の上昇を受けて生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が3.1%高、T&Dホールディングス(8795)も5.1%高となり昨年来高値を揃って更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は256円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを前倒しするとの観測が重石となり米国市場でダウ平均が続落となったことで売りが優勢となりました。先週末に一時320円以上上昇しながら200日移動平均線に押さえられ伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じたのに続いて、本日は朝方に一時先週末の終値近辺まで持ち直しながら戻し切れないと下げ幅を広げました。そのため上値の重さが意識されそうですが、3日間で1,100円以上も下げたこともあって明日以降の切り返しに期待したいところです。

なお、2月決算企業の第3四半期決算発表が行われていますが、本日も引け後に安川電機(6506)が決算を行う予定です。また、日本時間の12日午前零時からパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の再任指名承認公聴会が行われる予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)