投資にはリスクはつきもので、「絶対確実」はありません。リスクにはいろいろ種類がありますが、投資のリスクというときは損益のブレ幅を指すことが一般的です。大きい利益が期待できれば、その反対側には大きな損失の可能性があり、利益は小さいけれども下ぶれの可能性も小さければ安定性が高くなります。

相場(市場)を相手にする金融商品の場合、大きな利益への期待と同時に大きな損失の可能性も併せもつ、いわゆる「リスクが大きい」商品が多いです。こうした商品に投資するときは、思いつきや勢いで行うことは大変危険です。ですが、投資と投機を混合してしまい、むやみに投資を怖がったり、投資には大金が必要だと思いこんでしまう必要はありません。

以下の2点をぜひ注意して行っていただきたいと思います。

・マネーコントロール

・メンタルコントロール

まずマネーコントロールですが、投資は継続することによって様々な効果が得られます。複利効果ももちろんですが、市場を相手にトレードする場合、もし損失が出ても、手元の資金がある限り市場に参加し続けられ、それは損失を取り返すチャンスもあるということです。資金不足で撤退せざるを得なくなれば、手元には「損で終わった投資」という記録しか残りません。トレードにおいては、市場に「生き残り続ける」ことが勝率を上げ、利益を積み増すチャンスにつながります。

1.自身の資産金額の把握

2.投資金額の把握(全資産に対してどの程度か)

3.投資商品の理解(リスクの理解等)

4.損は小さく、利益はコツコツと

1~3はどんな投資をするときにも必要不可欠です。4については、主にトレードの場合です。個々スタイルを持っていると思いますが個人的にお勧めしたいものです。大きな利益を狙ったトレードは大失敗につながりやすいものですから、小まめに利食いをする方が長期にわたって継続的に投資を行うのであれば確実性が上がると思います。

そして、この4については、次のメンタルコントロールにも関係します。自分は精神的に強い!と自信を持って言える方はそう多くないと思います。相場は言ってみれば投資家心理によって動かされているものです。その動きに気持ちが飲み込まれると、負けたときは取り返そうと焦りますし、負けが続けば気持ちが凹みます。勝っているときは欲が出て、気が大きくなりがちです。こうした気分のブレこそトレードにはマイナス要因になってしまうものですよね。

1.決めたスタイルを崩さない

2.機械的に注文する (損切り・利食い注文もセットで)

3.深追いしないため時間を決めて取引する

「冷静に投資しましょう」と言っても、自身で気持ちをコントロールすることは難しいものです。ルールを決めて基本的にはそのルールに沿って、機械的に取り組むことが一番確実なのではないでしょうか。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員