全国的に大雪となった3連休はいかがお過ごしでしたでしょうか?
世界ではまた大きな動きがありましたね。

ついにエジプトではムバラク大統が30年近く座り続けた大統領のイスから降りました。とりあえずは軍主導の体制となりますが、あくまで暫定的主導であり、民主的な政治に速やかに移行するとの声明は発表されていますね。
とはいえ、「次」が明確になっているわけではないこと、中東においては宗教の政治への介入が強いこと等々不透明な要因が多く、あまり楽観的には見ていられない気がします。
民衆の力によって新体制へ・・・といえば聞こえは素晴らしいのですが、「次期政権」が強力なリーダーシップと理念をもって社会の変革を進め、かつ民衆によってそれが信認されていかない限り、混沌とした状況が続いてしまう可能性も高いといえるでしょう。

「一(いち)新興国においての政変」という政治的なお話で終わらないのが、今のグローバルな経済環境です。
まず、世界経済は国境を軽々と越えて相互に大きく影響を与え合うようになっています。そして、過去においてはその相互影響は主に先進国間で完結していたものですが、いまや世界経済を牽引しているのは新興諸国であるだけに、新興国においてのソブリン・イベント(テロや戦争・革命など国家基盤にかかわる出来事)の発生はそのまま世界経済全体へのインパクトとなるのです。ましてや今回のエジプトのデモは、そもそもはチュニジアの政変に触発されて起こったもので、すでに周辺のヨルダン、イエメン、アルジェリアと広がっていて、「一新興国」で済んでいません。

新興諸国においては同様の独裁的な政権は多く、また、その多くは経済成長と国民全体の豊かさがバランスしておらず、高い失業率と食糧高騰は「餓え」に直結します。「荒れる民衆」が育ちやすいということですね。

今のところ、前述の諸国の動向(エジプトを除いて)によって、市場は大きく揺らいではいませんが、新興国の中でも中心的で、急成長をしている国々や資源輸出国において、こうした政治不安が勃発してしまったら、世界経済に多大な影響を与えることは間違いないでしょう。

ムバラク大統領辞任を受けて、直後のNY市場ではドル買いとなったものの、原油先物および株式市場では「エジプト情勢の鎮静化期待」から原油安・株高と、かなり楽観的な反応を見せました。
もちろん市場においては私以外にも前述したような不安の声もあるようですが、少なくともNY市場ではプラスの反応だったということです。

ただ、市場に向き合うときに「リスクの存在」の認識とそれを回避(=「ヘッジ」)する手段を考えておくことはとても大切です。
勢いだけで集中的な投資を行わず、利食い・損切りは注文しておくといったリスク・コントロールはぜひ心がけるようにしてくださいね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員