週末の日経新聞の「1回の投資でもうかった最高額は?」というアンケートをご覧になった方もいると思います。全国の成人既婚男女618人(男女半々)に行ったインターネット調査結果とのこと。その内容で気になったことがありました。
まずはアンケートそのものについて。「「10万円以上」という回答は全体の15%」といった結果の出し方です。金融の世界では、投資のリターンはいくらを投資して、それに対してどれだけのリターン(利益)があるかという比率(%)(年率)でその成果を見るのが普通です。

以下は例えば1年間の投資成果として10万円の「もうけ」=リターンがあった場合(税金は考慮せず)です。

・1000万円の投資で10万円のリターン

・5万円の投資で10万円のリターン

同じ[10万円のもうけ]でも、前者は1%、後者は200%のリターンとなります。前者であれば債券や預金といった安全性資産でも十分にありえる数字ですが、後者はリスク性の高い金融商品でなければ実現しない数字です。

このアンケートではいくらの投資金額か、どのくらいの投資期間か、という大切な2点が抜けていて、「1回いくらもうかったか?」という聞き方をしています。
投資の上ではどの程度のリスクを取るのかはとても大切で、「もうかる可能性」の反対側でどれだけ損を出す可能性があるのかを知らずに投資するのはとても危険なのです。「もうけ」という旨味だけを見て投資することは絶対にNGです。

もう一つ、気になったのは「元本保証のない商品には投資をしない」という人が全体の60%もいたこと。超低金利を10年以上も続けている日本で、預貯金をしていてもお金はほとんど殖えないということは誰もが知っていますよね。リスクはゼロで、リターンだけたっぷりといった美味しい金融商品は残念ながら存在しません。リターンを得るためには、相応のリスクを取らなければならないのです。

このアンケートにおいて「元本保証」を回答者がどのように受け取って回答したかはわかりません。例えば投資信託でも「元本確保型」という商品がありますが、実はその仕組みのための別のリスクがあるためで、タダで元本保証は得られません。(元本確保型というタイプの商品を保有されている方は、どんなリスクがあるのか改めてご確認されることをおススメします。)

「元本保証」=預貯金・国債と考えるのであれば、お金を殖やすことに興味はない(?)、リスクと名のつくものを全て怖がってしまっている人が過半数もいるということですね。
リスクにはいろいろな種類があり、人によってどういったタイプのリスクをどの程度許容できるかは異なります。まずはリスクと聞いて即拒否ではなく、どういったリスクがどの程度あるのかを知ることで、お金を殖やす機会はぐっと広がることを多くの人に知ってもらいたいですね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員