東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。日経平均は12円安の29,288円で寄り付くと9時30分過ぎに97円安の29,204円まで下落する一方で、10時20分前には86円高の29,388円まで上昇するなど昨日の終値を挟んで一進一退の展開となり11円高の29,313円で前場を終えました。5円高の29,307円でスタートした後場の日経平均は29,300円を挟んで小幅に揉み合いましたが、引けにかけて買いがやや優勢になると結局30円高の29,332円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は5.0%安となり昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

116円台前半まで円安が進んだことで自動車株が高く、2021年の米新車販売台数が前年比10%増の233万2000台となり米ゼネラル・モーターズ(GM)を約11万台上回ったトヨタ(7203)が一時4.8%高となり昨日に続いて上場来高値を更新したほか、フランスの自動車大手ルノーと電気自動車とインターネットに常時接続するコネクテッドカーに関する共同プロジェクトを発表すると伝わった日産(7201)も一時4.3%高となりました。マツダ(7261)も一時4.3%高となり、ホンダ(7267)も一時2.7%高となっています。ソニーグループ(6758)も一時5.0%高となり昨日に続いて昨年来高値を更新しています。米国で開催中の世界最大のテクノロジー見本市のCESで吉田憲一郎社長が電気自動車事業を担当する新会社を2022年春に設立すると発表したことが材料視されました。

また、投資判断や目標株価の引き上げに好反応を示したのが日本郵政(6178)や小糸製作所(7276)で、日本郵政が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.2%高となり、小糸製作所も投資判断の引き上げを受けて4.5%高となりました。一方でシスメックス(6869)は投資判断と目標株価の引き下げを受けて11.3%安となっています。塩野義製薬(4507)も7.1%安となりました。開発中の新型コロナウイルスの飲み薬とワクチンの取り組み状況を発表しましたが、承認申請に関しての情報が示されなかったことで開発が遅れているのではとの懸念が強まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は30円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸となり史上最高値を更新する一方で、米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数が反落となるなど高安まちまちとなったことから方向感を欠き昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。しかし、昨日に500円以上も上げた割に下値は限定的で底堅かったこともあって引けにかけて買いがやや優勢となりました。そのため明日以降の展開にも期待が持てそうですが、今週は重要な経済指標の発表を数多く控え様子見になりやすいともいえます。したがってこうしたなかで明日と明後日でどこまで水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22時15分には週末に発表予定の米雇用統計の前哨戦となる12月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、6日の午前4時には12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)