東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに大幅反発となりました。日経平均は306円高の29,098円で寄り付くとしばらく節目の29,000円を挟んで揉み合いましたが、9時50分頃から上げ幅を広げ10時50分前に462円高の29,253円まで上昇すると396円高の29,188円で前場を終えました。431円高の29,223円でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時過ぎに532円高の29,323円まで上昇するとその後も高値圏で推移し結局510円高の29,301円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
トヨタ(7203)が6.1%高となり上場来高値を更新しました。2025年にも次世代車の加速や安全制御機能などを一括で動かす頭脳にあたる基本的な車載ソフトウエアを実用化し、自社製の車両に搭載するだけでなく他の自動車メーカーにも販売すると伝わったことが材料視されました。また、昨日の米国市場で米アップル(AAPL)が一時3%高となり時価総額が米企業で初めて3兆ドルを超えたこともあってアップル関連銘柄が物色され、なかでもアルプスアルパイン(6770)が5.0%高、太陽誘電(6976)も一時3.9%高となりました。昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%余り上昇したことを受けて半導体関連銘柄も高く、東京エレクトロン(8035)が3.2%高、SCREENホールディングス(7735)とアドバンテスト(6857)が3.6%高、SUMCO(3436)が4.6%高、信越化学工業(4063)が3.7%高、ルネサスエレクトロニクス(6723)も6.1%高となり、東京エレクトロンは上場来高値を更新しています。
米長期金利の上昇を受けて昨日の米国市場で大手金融株が買われた流れを受けてメガバンクも堅調で、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が3.5%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.3%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も2.2%高となったほか、米長期金利の上昇で生保株も高く第一生命ホールディングス(8750)が6.0%高、T&Dホールディングス(8795)も4.1%高となっています。さらに政府が再生可能エネルギーの普及のために次世代送電網を整備すると伝わったことで電線株も高く、住友電気工業(5802)が5.4%高、昭和電線ホールディングス(5805)も8.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は510円高となりました。年明け最初の取引となった昨日の米国市場が反発しダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから大幅高となりました。大発会としては4年ぶりのプラスで節目の29,000円を回復したこともあって幸先の良いスタートを切ったといえそうで明日以降の相場展開にも期待が持てそうですが、月初の週ということもあって今晩の米ISM製造業景況感指数を初め、週末の米雇用統計など重要な経済指標の発表が目白押しで今週は様子見になりやすいといえます。したがってこうしたなかで週内にどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
本年も皆様のお役に立てるよう情報発信に努めてまいります。本年もマネックス証券をよろしくお願いいたします。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)