東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。408円高の28,868円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で584円高の29,044円まで上昇した後10時50分過ぎに322円高の28,782円まで上げ幅を縮めましたが、前引けにかけて持ち直すと444円高の28,904円で前場を終えました。464円高の28,923円でスタートした後場の日経平均はしばらく28,900円台で推移しましたが、14時30分頃から上げ幅を広げ14時50分過ぎに610円高の29,070円まで上昇すると結局606円高の29,066円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は節目の1,000ポイント台を回復しています。

2.個別銘柄等

キヤノン(7751)が6.5%高となりました。2021年12月期の期末配当を1株あたり55円と従来の予想から10円引き上げると発表したことで株主還元の強化を好感した買いが入り大幅高となりました。また、2022年秋ごろまでコンテナ船運賃の高い水準が続くとして国内大手証券が目標株価を引き上げたことで大手海運株が高く、日本郵船(9101)が5.6%高、商船三井(9104)が3.9%高、川崎汽船(9107)も5.4%高となりました。日産(7201)やオリンパス(7733)、セイコーホールディングス(8050)なども投資判断と目標株価の引き上げを受けて高く、日産が4.1%高、オリンパスとセイコーホールディングスも3.8%高となっています。

さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となったことから日本市場でも半導体関連株が買われ、東京エレクトロン(8035)が3.1%高、SCREENホールディングス(7735)が3.2%高、レーザーテック(6920)が5.6%高、アドバンテスト(6857)も5.4%高となりました。

一方でアルミコンデンサー大手の日本ケミコン(6997)が目標株価の引き下げを受けて5.9%安となったうえ、美顔器のヤーマン(6630)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4.4%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は606円高となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がほぼ想定の範囲の内容となり、FOMCを無事に通過したことで昨日の米国市場が大きく反発したことで買いが優勢となりました。大幅高となりこれまで上値を押さえてきた100日移動平均線(28,738円)や200日移動平均線(28,858円)に加えて、一目均衡表の雲の上限(29,044円)も上回ってきたことから明日以降の展開に期待が膨らみますが、こうしたなかで年末に向けてどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数や12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の米住宅着工件数などが発表される予定です。また、23時15分には11月の米鉱工業生産指数と設備稼働率の発表も予定されています。さらに明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)